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米英に向かう旅客らは不安
テロ未遂事件 大きな混乱ないが、出国ピーク控え大混雑
8月12日(土) 東京朝刊
英国の民間航空機爆破テロ未遂事件の発覚を受けた11日、成田空港では米国へ出発する旅客機の機内持ち物検査が強化され、夏休みの出国ラッシュも重なって大混雑。旅行会社は情報収集に追われ、乗客からはテロへの不安や規制強化に対する困惑の声があがった。

テロ警戒で、機内持ち込みが規制され、手荷物検査前にペットボトルが大量に捨てられた=11日午後、成田空港(撮影・飯田英男)

この日、成田空港の出発ロビーでは、全日空や日本航空などの職員が「緊急告知」と記したチラシを米国行きの便の乗客に配り、ペットボトルなどの飲料や歯磨き粉、整髪料などの機内持ち込み禁止を呼びかけた。ロンドン行きの旅客機の出発が2〜3時間遅れたが、大きな混乱はなかった。

空港で航空券の受け渡し業務などを行う「ジャパンアシスタンス」のカウンターでは、予約客や取引会社からの問い合わせが相次ぎ、担当者は「5年前の米国の同時多発テロ事件以来です」。

在住先のニューヨークに家族で戻る自由業、安井健彦さん(38)は「中枢同時テロの現場も見ているので、テロはトラウマ(心的外傷)になっている」と不安な表情。埼玉県の実家に帰省していた米国・オレゴン州在住の調理師、森田庸子さん(53)は「テロは怖いけれどチェックが厳しくなった分、逆に安心できる」と話した。

英国便から帰国した栃木県佐野市の高校教諭、大木洋子さん(47)は「長距離路線以外は欠航していたので空港は人でごった返していた。警備も物々しかった」と現地の状況を語った。

日本旅行では、テロ未遂事件発覚後、すぐに全社員を招集し、情報収集にあたった。同社広報室によると、「キャンセル料はかかるのか」「今後の出発便は大丈夫か」などの問い合わせが数件あっただけで、大きな混乱はなかったという。

JTB広報室のまとめでは、20日までに英国に出発する予定のツアー客592人のうち、キャンセルは4人だった。

成田国際空港会社によると、成田からは11日だけで約4万5000人が海外各地へ出国する見込みで、12日は出国予定者が約5万2400人とラッシュのピークを迎える。

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