産経Webへ戻る
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | 産経Web
人気ドラマの中心で笑顔輝かせて
女優・国仲涼子に聞く 
8月20日(日) 東京朝刊 by 広瀬一雄/古厩正樹(撮影)
「ずーっと収録の間じゅうも、阿部(寛)さんの演技なんかを見て、みんなで笑ってます。こんなに笑ってばかりの撮影現場は珍しいんですよー」  自身も屈託なく笑う。その笑顔のまぶしさは、故郷でもある沖縄の陽光のもとに咲くヒマワリの花のようで、強く惹(ひ)きつけられる。


もうすぐ佳境を迎える関西テレビ系ドラマ「結婚できない男」(火曜後10:00)で、偏屈で不器用?な主人公、桑野信介(阿部寛)の隣室に住むOL、田村みちるを演じる。

「みちるは思ったことをすぐに口にするし、彼氏がいても、いい男に会うと、わざわざ着替えて笑顔でアピールする。私自身からみれば、大胆で、自分に正直な女の子です」

彼女をスターダムにおしあげた「ちゅらさん」(NHK朝の連続テレビ小説)のヒロイン「恵里」が持つふんわりとした優しさとは異なり、恋愛観について話すみちるのせりふには、ドキッとさせられるものや、“したたか”なところが見え隠れする。本人いわく「今どきの“はじけた”女の子」を、違和感なく演じている。

彼女自身、「同世代の女の子として疑問に思うせりふもなく、すんなり役に入れました。(恵里との違いも)特に意識していません」という。

「ちゅらさん」は、今冬にも4作目の放送が予定されるほどの人気。連続ドラマの続編がこれほど何度も制作されるのは異例だ。ここまで見る人の心を惹きつけるものは何か。

「『ちゅらさん』は、家族愛をテーマにしたり、兄弟愛や、夫婦愛にあふれるシンプルな内容で考え込まずに見ることができる。沖縄の家族だからっていうんじゃなく、家族でご飯を食べることも少なくなった今、忘れかけていたもの、ほのぼのとしたものを思いだせてくれるドラマだからでしょう」

人気ドラマの中心で、いつも笑顔を輝かせていた。その笑顔を育んだ故郷でもあり、ドラマの舞台でもある沖縄への思いは強い。多忙で毎年2、3度しか帰省できないが、「友達と会ったり、おばあちゃんのところへ行ったりするけど、何もしないんです。だらだらするために帰る」のがいいという。

それでも「帰っているときは、沖縄に住んでいたときよりも沖縄料理を食べることが増えたかも。ゴーヤジュースを飲むとか…」とも話す。素顔は27歳の女性。離れて暮らしていれば、故郷への想いもより強くなるのだろう。

「結婚できない男」の第1話で、みちるは隣室で大音量のままクラシックを聴く信介にカチンとくるのだが、ひょんなことから信介を運ぶ救急車に付き添い病院に行くことに…。恋愛ドラマの予定調和の中では、恋が生まれる典型的パターンだが、第7話が過ぎた今も「ただの隣人です(笑)」。

信介の周りには、みちるのほかにも女医の早坂夏美(夏川結衣)、仕事仲間の沢崎摩耶(高島礼子)が登場するのだが、だれが信介と結婚するのかいまだ分からない、異例の展開だ。

異例のドラマの中で“いい味”を出しているのが、みちるが飼うパグ犬の「ケンちゃん」。ホームページにコーナーができる人気で、22日放送の第8話では信介とともに“主役級”の役割を果たす。自身が飼うチワワの「ひな」ちゃんのことに話が及ぶと、「いるといないでは大違い。心が癒やされます」というだけに、飼い主の心理もよくわかるのだろう。

「結婚」がテーマのドラマ。自身の結婚観については、「ドラマが始まる前は、自分も『早く結婚したいな』と思えるようになれば、と思っていたが、今は結婚がいいものか悪いものか考えている」といい、ドラマの展開同様“混迷”を深める。だが今後の女優業については「自立した、かっこいい女性の役がないので、ドラマの夏美さん(女医)のような、しっかりとしたキャリアウーマンの役をやってみたい」と、しっかりとドラマを吸収し、ステップにする意欲を見せた。

産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.

ここは記事のページです

記事関連情報
【プロフィル】国仲涼子
くになか・りょうこ 昭和54年6月、沖縄県生まれ。27歳。平成10年にタレントデビュー。13年に「ちゅらさん」のヒロイン、古波蔵恵里役で大ブレーク。その後も「天才柳沢教授の生活」(関西系)、「ブラックジャックによろしく」(毎日系)などのテレビドラマに出演。昨年公開の映画「電車男」では、主人公にネットでアドバイスを送る看護師役を務めた。他に「太閤記 サルと呼ばれた男」(関西系、15年)のねね役や「みんな昔は子供だった」(同、17年)の小学校教師役、「きららの仕事」(毎日系、同)の江戸前鮨(すし)職人役など、演じる役の幅も広がっている。「ちゅらさん」は15年、16年に続編が放送され、今冬には「ちゅらさん4」が放送予定。