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ベジャール版
東京バレエ団 「くるみ割り人形」5年ぶりに上演
  東京朝刊 by 柳谷昇子
12月のバレエ界は「くるみ割り人形」の季節。さまざまなバレエ団の上演が続く中で、東京バレエ団はモーリス・ベジャール振付版を5年ぶりに上演する。

首藤康之(右)と中島周=東京・目黒(撮影・鈴木健児)

「くるみ−」はクリスマスの夜、少女クララの不思議な体験をチャイコフスキーの音楽に乗せて描くファンタジーだが、ベジャール版の主人公は少年ビム。ベジャールが少年時代の体験をもとに振付した異色の作品。ビムとはベジャールの幼年期のニックネームだ。

日本での初演は平成11年。今回は新キャストでの上演で、ビムを不思議な世界に案内するキーパーソン「M…」役を中島周が務めることになり、初演から「M…」を踊ってきた首藤康之=同右=が指導にあたっている。首藤は「『M…』は存在感と色気が必要な役ですが、感性的なものは習得できるものではない。彼(中島)はその要素をもっているので、テクニックを固めることで自然にパーソナルな部分も浮かび上がるのでは」と話す。

首藤は東京バレエ団退団後、フリーで活躍中。「学んだことを伝えるのは重要なこと。教えるという作業は鏡のようで、新しい発見もある。ぼくが表現できなかったことも彼にはやってほしい。その意味では進化した『M…』を見られるのでは」

一方、首藤の指導を受ける中島は、若手ダンサーの注目株。華やかさと品があり、のびのびと美しい動きが魅力だ。

中島は「これまでさわやかな役が多かったのですが、陰のある『M…』で新しい面をお見せできたら。衣装、美術、照明、舞台装置までベジャールの美的感覚が楽しんでいただける作品です」と話している。



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