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午前7時から東京・丸の内
ビジネス街で早起きブーム 趣味、人脈作り…
  東京朝刊 by 村島有紀
「早寝早起き朝ごはん」はビジネス街から−。東京都内で“朝”をテーマにしたイベントが相次いで開かれている。丸の内で11月に午前7時台からのイベントを企画したところ、延べ1000人を超える人々が参加するにぎわいを見せた。背景にあるのは、通勤ラッシュを避けて朝を有効に使う発想だが、社会全体の生活リズム改善につながる可能性を秘めている。

朝エキスポのイベントで開催されたフラダンスの講習会=東京・丸の内(撮影・村島有紀)

運動も勉強も
24万人が働くビジネス街、東京・丸の内で11月13日から9日間、始業前の“朝”を有効に使おうという午前7時からのイベント「朝エキスポ」が開かれた。

ヨガやウオーキング、フラダンスなど体を動かすイベントと、行動科学専門家や宇宙飛行士などによるトークライブ、レギュラーコーヒーのいれ方講座など。インターネットのウェブ上で参加者を募ったところ、延べ1100人が参加し、ほとんどの参加予約が数日で埋まる人気ぶりだった。

フラダンスに挑戦した会社員(36)は「電車が空いていてよかった」。歯科助手の水代由美さん(28)は「すごくさわやか。小学生のときの夏休み、ラジオ体操に参加したころを思いだした」と話す。

朝エキスポ企画者の一人、古田秘馬さん(31)は「自分に打ち勝って朝早く起きたという高揚感もあり、夜のイベント以上の一体感と満足感が生まれている。人脈を広げるビジネスツールとしても“朝”は有効」と話す。すでに来年の第2弾も検討中という。

 
朝ごはんも…
通勤ラッシュに、もまれることなく早朝から運動し、しっかりした朝食をとって出勤すると“得”した気分になるのも確か。文具メーカー「コクヨ」(大阪)のウェブサイト「朝の達人」には、普段より1時間以上早い電車に乗って、会社の近くの喫茶店に入り、朝食を食べながら新聞数紙を読めば、普段よりも充実した一日になるとある。

コラムニストの「イシコ」こと石原英一さん(38)は、幼い時からの朝型人間。夏でも冬でも午前4時か5時ごろ起きる。朝日を見るのが好きで、散歩をしたり、ブログを書いたり、朝食を食べたり、映画を見たり…。昼寝をするのも午前中だ。「昼寝から起きても、まだ明るいから得した気分になる。ひきこもりのような生活をしていても、太陽を見る時間が長いほうが、人間は前向きになれる」と早起きの効用を説く。

“早起き”はクリスマス・イベントにも広がっている。東京・表参道のスパイラルカフェ((電)03・3498・5791)では23日と24日、営業時間を1時間早め、午前10時から1日100食限定(予約制)の「クリスマスモーニングブランチ」を企画する。

“シドニーのエッグマスター”と呼ばれるビル・グレンジャーさんが、スクランブルエッグなど卵料理を提供する。夕方から夜にかけてのデートが定番のクリスマスを、午前中から楽しめるようにという狙いだ。

 
子供にも影響
遅寝遅起きなど、子供の生活リズムの乱れが、成長や健康に悪影響を及ぼしているが、生活が乱れる原因の一つは、親の生活リズムに子供を引きずりこんでいることだ。

就職後、残業や夜の付き合いに追われ、朝はぎりぎりまで寝て、朝食抜きという習慣を身につけ、子供の誕生後も改善できない大人が多いのではないだろうか。

規則正しい生活のためには社会全体の取り組みが必要−と東京都では16日に都民や企業、地域社会とともに「子どもの生活習慣確立東京都協議会」を設立する。同日、都庁で設立記念フォーラムも開催される予定で、担当の大西淳子さんは「ふれあいのために親子で朝散歩するのもいい。まずは家庭内での見直しを呼びかけるが、いずれは企業にも協力を呼びかけ、働き方の見直しを提案したい」と話している。



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