産経Webへ戻る
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | 産経Web
やるだけやった。あとは後進に
NewOSKを退団する初代トップ、大貴誠に聞く
  大阪夕刊 by 平松澄子
NewOSK日本歌劇団の初代トップスター、大貴誠が来年4月の大阪松竹座公演「春のおどり」で退団することを明らかにした。来年は同劇団が前身の「松竹楽劇部」として創立(大正11年)してから85周年、市民歌劇団として再生してから5年の節目の年になる。「自分の分はやるだけやった。あとは後進にまかせます」と大貴は退団の心境を語った。

横浜市出身の大貴は昭和59年、日本歌劇学校に59期生として入学。61年にOSK日本歌劇団に入団し、際立った演技力で存在感のある男役として活躍。代表作は「闇の貴公子」の芦屋道満役などがある。

ピンクの紋付きと緑の袴の制服姿で退団を発表した大貫誠
ピンクの紋付きと緑の袴の制服姿で退団を発表した大貫誠
ところが、平成14年に親会社の近鉄がOSK解散を通告したことで、大貴は先頭に立って劇団存続のための署名活動などに奔走。新体制としてNewOSKが再生した後もトップスターとして牽引(けんいん)し、16年4月には大阪松竹座で66年ぶりに「春のおどり」を復活させ話題になった。同年9月に71年ぶりの復活となった「秋のおどり」と合わせて、大阪松竹座で今年まで計5回の公演を実現させている。

「退団を決めたのは昨年の秋ごろ。NewOSKの組織も安定してきて、そろそろかなという気持ちになりました。これまで一番うれしかったことはOSKに入れたこと。苦しかったことは…今となってはなかったですね。思い出深いのは、やはり存続活動です」と大貴。退団後については「まだ実感がないし、時間もない。やめてから考えることになると思う」と答えた。

来年は、1月2、3日の「桜の国よりごあいさつ」(OSKカルチェラタン世界館)から始まり、1月14日は大貴が台本も担当する「バロン」とショー「ジョイフル・ジョイフル」(シアターBRAVA!)の特別公演。そしてラストステージが4月14〜23日の「春のおどり」(大阪松竹座)になる。「桜咲く国2007・輝く未来へ」のタイトルで、第1部「桜・舞・橋」と第2部「桜ファンタジア」の和洋ショー。大貴は「大阪らしい庶民のエネルギーがあふれる作品にしたい」という。

NewOSKの谷康滋社長は「大貴はともに戦ってきた盟友だけに退団は残念。23人で出発したNewOSKも今では40人近い団員になり、スタッフも約10人に増えた。来年からはより新しいスタートと考えて、東京進出も視野に入れてがんばっていきたい」とエールを送った。



産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.

ここは記事のページです