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文科省調べ
ぜんそくの園児1.5倍に アトピー児童3%超 
  東京朝刊
ぜんそくにかかっている幼稚園児や小中学生の割合が10年間で倍増し、過去最高を更新したことが、文部科学省が21日まとめた平成18年度学校保健統計調査で分かった。特に幼稚園児は前年度の1・5倍に急増している。また、アトピー性皮膚炎の子供も小学生の3・63%、幼稚園児の3・77%にのぼった。


調査は、幼稚園と小中高校で春に実施される健康診断に合わせて行われた。発育状態については約69万人、健康状態については約335万人を抽出して調べた。

ぜんそくの割合は幼稚園児が2・36%(前年度1・58%)で、10年前の2・4倍に急増。年齢では6歳が4・2%と最も高い。小学生も前年度の3・27%から3・79%に、中学生も同2・67%から2・96%に増えた。

高校生は1・67%でわずかに減ったが、10年前と比べると、全校種とも2倍以上に増えている。

ぜんそくの増加について文科省は「居住空間や食生活の変化のほか、大気汚染が進んだこと、遺伝的な理由などさまざまな仮説をもとに専門家の研究が進んでいる。子供の疾患は多様なだけに、そうした研究結果を待たないと何とも言えない」としている。

アトピー性皮膚炎は、シックハウス症候群やアレルギー疾患などへの注目が高まったことを踏まえ、今回初めて調査項目に加えられた。結果は幼稚園児が3・77%で最も高く、続いて小学生が3・63%、中学生が2・77%、高校生は2・24%だった。

このほか、裸眼視力が「1・0未満」の子供は、幼稚園児が24%、小学生が27・2%で、ともに増え、視力の低下が低年齢にも広がった。「0・3未満」は小学生の6・1%、中学生の20・1%、高校生の26・9%に及んだ。

足立満・昭和大教授(呼吸器・アレルギー)の話「ぜんそくなどアレルギーの子供が急増しているのは、ダニが繁殖しやすい密閉性の高い住宅が増えるなど、生活環境の変化が大きな要因だろう。幼児期、細菌にあまり接触しない衛生的な環境で育つとアレルギーになりやすい体質になる、という説もある。こうした背景があるため、急増の傾向は今後も続くとみられる」



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【用語解説】アトピー性皮膚炎
強いかゆみを伴う湿疹(しっしん)が顔や首、ひじの内側をはじめ全身にできる。患者の8割は5歳までに症状があらわれるが、思春期以降にかかる「成人型アトピー性皮膚炎」もある。遺伝的にかゆみを起こしやすい体質の人がさまざまなアレルゲン(抗原)と刺激にさらされたときに起こる皮膚炎と考えられている。食べ物、ダニ、ハウスダストなどさまざまな要因が発症や症状悪化に関連しているとされる。