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男性誌に広がる家庭志向 有名人も“お手本”
マイホームパパがかっこいい 育児もおしゃれに
  東京朝刊 by 津川綾子
最近、家族の絆(きずな)に焦点をあてた男性誌が目立つ。洗練されたファッショングラビアの中に妻や子供が登場し、ちらりと生活感がのぞく。実生活とも重なるリアルさが30〜40代を中心に共感を呼ぶようだ。

「FQ JAPAN」の清水朋宏編集長は3歳児の父だ

家族で食事
「家族で一緒に食事をしよう!」−。男性ファッション誌「OCEANS(オーシャンズ)」に先月、こんな文言が踊った。家族で楽しく食事をすることで、非行から子供を守ろうと全米で展開されている「ファミリーデー」運動を、同誌を発行する「インターナショナル・ラグジュアリー・メディア(ILM)」が日本で推進していく、そう宣言したものだ。

毎号、家族の幸せな光景が表紙を飾り、ページを繰れば洗練されたファッションに身を包んだパパが、じゃれつく娘の頭をなでている。同誌はスタイリッシュな中にも温かな家族の空気を盛り込んだファッション誌としてはパイオニア的存在だ。読者の8割は既婚で、そのうち8割に子供がいる。

編集長の大久保清彦さんは「ちょいワル」ブームを巻き起こした「レオン」の元副編集長。「木村拓哉やブラッド・ピット…、男性が憧(あこが)れる30代、40代は子供がいて家族がいて、それが自然でスタイリッシュ。家族を隠して彼女とデートするより、おしゃれをして家族でどこかにでかける。男性の『かっこいい』の基準が変わってきた」と話す。

ちなみに大久保編集長は「●(=黒ハート)」マークが大好きだという。「純愛小説がはやったり、トップブランドがチャリティーに熱心だったり。『ラブ』が時代のテーマだからこそ、家族を意識するのだと思う」とも。

来年4月の創刊1周年記念イベント「オーシャンズ ファミリーラウンジ ウィズ ラブ」では、ファミリーデー関連のイベントも予定。「ファミリーデー」運動のコミュニケーションディレクターで、ファッションジャーナリストの伊藤操さんは「こんな忙しい世の中だからこそ、食事の場で家族がコミュニケーションを取ることが大切。地味な活動ですが、『オーシャンズ』を中心にILMが発行する各誌で今後、推進していきたい」。

ママも喜ぶ
「差がつくバギー選び」「男の育児」−。テーマは育児だが骨太な見出しが表紙に踊る。今月創刊した新雑誌「FQ JAPAN(エフキュージャパン)」だ。FQは「ファーザーズ クオータリー」で、直訳すればパパ向け季刊誌だ。

「男性の育児はかっこいいというより、当たり前という時代。一方で、興味はあるけど育児は恥ずかしいと躊躇(ちゅうちょ)する男性もまだ多いのが現実です。だからこそ気軽に手に取れて楽しめる、スタイリッシュな育児の情報誌を作りたかった」と清水朋宏編集長は話す。通勤電車でひよこが表紙の育児雑誌を広げるのはためらう男性も、ジョニー・デップが表紙なら平気だ。

車やファッションと同様に育児グッズもセンスよく紹介。男性ならではの知的好奇心をくすぐる。また、ジョニー・デップが「夢みたいにすばらしい子供たち」との暮らしを披露し、ミュージシャンの布袋寅泰が娘の前でサンタの格好をしたり、藤井フミヤが「仕事は子育ての次」と堂々と育児を語るインタビューも充実している。

一方で「キッザニア東京」や「こどもの城」(ともに東京)など、母親向け雑誌では常連でも男性誌にはなじみのない遊びのスポットも紹介。「子供を外に連れ出すのは父親のほうが得意。父子が遊べばプライベートな時間をママにプレゼントすることもできる」(清水編集長)。この雑誌、読者の7割は男性だが、妻が夫に買って渡すケースも目立つという。



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