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オープンから8年
糸井重里に聞く 「ほぼ日刊イトイ新聞」長寿の秘訣
  東京朝刊 by 猪谷千香
1日130万ヒット。個人名で運営するサイトとしては驚異の数字を誇るのが、コピーライター、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」だ。中沢新一著『三位一体モデル』や、よしもとばなな著『ベリーショーツ』など「ほぼ日」から生まれた書籍6冊が先月、一気に刊行された。オープンから8年を迎えた「ほぼ日」(www.1101.com)。“長寿”の秘訣は、こつこつと毎日続けてきたことにあるようだ。

糸井さんが肌身離さず持ち歩くカメラで撮影した写真は「ほぼ日」にアップされる=東京・青山の東京糸井重里事務所
糸井さんが肌身離さず持ち歩くカメラで撮影した写真は「ほぼ日」にアップされる=東京・青山の東京糸井重里事務所
「ほぼ日」は平成10年6月にスタート。きっかけは、糸井さんが既存メディアに不便を感じたことだった。「例えばコンサートをやるとして、その情報を雑誌に載せてよといっても、そう簡単には掲載してもらえない。でも僕が知らせるページをもっていれば、いつコンサートを開くかお客さんにわかる。そして、同じような考えから自分でメディアを持っている人同士がつながる時代くる」と確信して立ち上げたのだという。

「ほぼ日」の人気を支えるのは“常連客”だ。彼らを引きつける理由を「ずっとやっているからでしょうね」と指摘する。「あの店、毎日開いているよね。じゃあ行ってみようかと。一番大事なのはそこだったと思います」

もちろんそこに“おいしいメニュー”がなければならない。「ほぼ日」の魅力は、幅広い執筆陣によるコンテンツ。これまで約1000ものコンテンツを掲載、一部は書籍化され、先月も6冊がまとめて刊行された。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』のベストセラーで知られる公認会計士の山田真哉さんが今年4月に東京糸井重里事務所の経営に参画し、出版に力を入れた方がよいとアドバイスしたという。

スタートから8年を経て、ネットを取り巻く環境は大きく変わった。「この先、ちょっと考えていかなければならないですね。『ほぼ日』は“薄い本”になるかもしれないです。コンテンツは増えましたが、こんなに“分厚い本”である必要があるのか」。糸井さんは、「何かを終わりにすることで、また新しいものを生み出す力をつけていかないと。これからに合わせたスタイルを考えていかなければと思っています」と、さらに新たな展開を試みようとしている。



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