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「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」
かつてのリーダーはなぜ消えたのか
8月4日(金) 東京朝刊 by 松本明子
スティーヴン・ウーリー監督
スティーヴン・ウーリー監督
ブライアン・ジョーンズを知っているだろうか。ザ・ローリング・ストーンズの創始者にして1969年に謎の死を遂げたミュージシャンである。35年以上の時を経て、彼の死の真相に迫る映画「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」(5日公開)を製作したスティーヴン・ウーリー監督に聞いた。

ストーンズのリーダーでギタリストのブライアンが69年7月3日、英国内の自宅プールで死体で発見された。当時はアルコールとドラッグの影響で偶発的に溺死したと公表されたが自殺、他殺などあらゆる説が飛び交った。スティーヴンは13年前に映画化を望み、リサーチを重ねた。きっかけは93年、ブライアンの監視と世話役を務めていた建設業者のフランク・ソログッドが死ぬ前に「ブライアンを殺したのは自分だ」と告白したからだ。しかし、実証されないまま死亡したため真相は藪の中となった。

「ブライアンに関する著書や検視結果、僕自身が雇った私立探偵などの調査報告から“他殺”として映画を完成させた。殺した理由として僕が考えることは、2人は酒仲間となり友人としても信頼関係にあったが、フランクが徐々にブライアンの激しい感情についていけなくなった。そして、存在自体を否定されたことで殺意が芽生えた、ということかな」

ストーンズの当時のマネジャーで、死の当日も現場にいたトム・キーロックをコンサルタントに招き、多くの“証言”も得た。

「でも途中から(キーロックは)嘘をつく男だという気がしてきた。ブライアンによってどれだけの財を成したか知らないが、真実をいわないという印象だ。恋人だったアンナ・ウォーリンらの話の方がより真実味があった」

ストイックに音楽を求めたブライアンは「俺たちはビートルズになる気はない」と宣言して孤立。死の1カ月前にミック・ジャガー、キース・リチャーズから脱退を勧告されていた。スティーヴンはこうも言う。

「今考えると、当時のすべての情報がレコード会社のイメージ作りだったかも知れない。ただひとつ言えることは、ストーンズというバンドが、怒りや魂を象徴するあの時代を表現した」

そして、今なお世界に君臨し続ける現在のストーンズについて、「ノスタルジーの旅(ツアー)ですかね。当時ファンだった僕としては複雑な思いで見ている」としたが、「でもあの年齢でショー・マスト・ゴー・オン(ステージに立ち続けていること)は尊敬するよ」と語った。

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