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2つの映画祭をめぐってイタリア式狂騒曲が展開中
ベネチア国際映画祭ピンチ ローマのほうが豪華
8月31日(木) 大阪夕刊 by 山口昌子
【パリ=山口昌子】第63回ベネチア国際映画祭が30日、イタリア北東部のベネチアで開幕した。21本の正式出品作品が最高賞の「金獅子賞」を争うが、先に10月の開催が決まった新設のローマ国際映画祭が予算や参加俳優などで先輩格の映画祭を上回る豪華版であることが判明。2つの映画祭をめぐってイタリア式狂騒曲が展開中だ。

ベネチア映画祭は30日夜(日本時間31日未明)、ブライアン・デ・パルマ米監督の実話の殺人事件に基づくスリラー映画「ブラック・ダリア」で開幕。9月9日までの間に正式出品作品を含めて計63本が上映される。今年はキプロス、インドネシアなど新参加国も加わり、「金獅子賞」を争う。審査委員長は仏女優のカトリーヌ・ドヌーブ。

北野武監督や宮崎駿監督らが受賞したことにより世界的に認知されるきっかけとなったように、ベネチアはカンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭と並ぶ権威ある映画祭だ。

今年はローマ映画祭が10月13日から21日までローマで開催されるが、ベネチアの予算が800万ユ−ロ(約12億円)に対し、1000万ユ−ロ(約15億円)。しかもロバート・デ・ニーロら米人気スターが参加する予定だ。最高賞の賞金も20万ユ−ロ(3000万円)と高額が発表されている。

ベネチアの方は国家の援助を受けているが、ローマはすべてプライベート資金で賄うことになっている。しかし、ベネチア市長は、「もし、ローマがわれわれの映画祭から公的資金を1ユ−ロでも奪ったらピストルを抜く」と敵対心をあらわにしている。

ルーテリ伊文化相は2つの映画祭は「補完しあう」と述べ、共存共栄を期待している。

しかし、イタリアのメディアは「ローマがベネチアを食い荒らす可能性がある」とし、老舗映画祭が新興映画祭に駆逐される危険性を指摘している。

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