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盲目の剣士を熱演
「武士の一分」 キムタク真剣勝負
12月1日(金) 東京朝刊 by 岡田敏一
今年の正月映画の目玉のひとつとされるSMAPの木村拓哉の主演映画「武士の一分」(山田洋次監督)が1日から、公開される。山田の手ほどきで、盲目の剣士という難しい役どころを演じ切った木村の演技が大きな見どころ。人気ナンバーワンの座を保ち続ける木村と日本映画界を代表する巨匠の“強力タッグ”だけに、ヒットが期待されている。

「たそがれ清兵衛」(2002年)、「隠し剣 鬼の爪」(04年)に続き、藤沢周平作品を題材にとった山田監督の時代劇映画3部作の掉尾を飾る作品。

貝の毒にあたって失明した藩主の食事の毒見役、三村新之丞(木村)が、彼の失明に乗じて妻の加世(壇れい)を寝取った上士の島田藤弥(坂東三津五郎)に決闘を申し込むという物語。歩くこともおぼつかなくなった三村が“武士の一分”をかけて、剣術の使い手で知られる島田と死闘を展開する…。

ぜいたくを好まず、つつましい日々を送る三村や、家庭を守りながら夫を献身的に支える加世。その姿から古き良き時代への郷愁が浮かび上がってくる。山田は「見終わった後『ああよかった』としみじみ思える作品づくりをめざしただけ。私なりの美意識に基づき、私が美しいと思える作品に仕上げた」と話す。

木村はそんな山田との仕事について、「真の映画好きが映画を作っているという感じ。その製作現場に間違いなどないわけで、そういう体験をさせていただけて光栄です」。壇も「現場では厳しく、仕事を離れれば愛情豊かな方で、人間として素晴らしい人物」と評する。

「目の前の人物の目を見て会話できないことがもどかしかった」と振り返る木村。最大の見せ場である決闘の場面に備え、目隠しでの殺陣を幾度となく繰り返してけいこした甲斐あって、「テレビでは見られない木村拓哉を見せる」という山田の演出意図通りの気迫がにじみ出た。そして笹野高史ら周りを固めるベテラン勢が木村をうまく支えている。

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