山田監督「悔しい」…関係者存続訴え
「ゆうばり映画祭」 幕切れ、イヤ 
7月30日(日) 東京朝刊
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が、主催する夕張市の財政破綻(はたん)のため中止されることになったことを受け、ゆかりの映画関係者らが「幕切れにさせないで」と存続を求める声を上げている。

「市民の心の支えとして続けていきますと、なぜ言えないのか。負担を軽くする形を汗びっしょりになりながら考えて、存続させられなかったのか、悔しく思う」

後藤健二市長が中止を正式表明した28日。夕張を舞台とし、映画祭のきっかけとなった映画「幸福の黄色いハンカチ」の山田洋次監督がコメントした。

実は事務局では、映画の公開から丸30年を迎える来年の映画祭で山田監督や主演の高倉健さんらを招く構想があったが、幻となった。

毎年2月にある映画祭は夕張最後の炭鉱が閉山した平成2年、当時の市長が「ふるさと創生資金」を活用して始まった。過去17回には米国のクエンティン・タランティーノ監督や吉永小百合さんら著名なゲストも参加。町中に名作映画の看板が数多く設置され、映画資料館もオープン、夕張は「映画の街」として定着した。

故岡本喜八監督の妻で、映画プロデューサー岡本みね子さんは「手作りの映画祭で、行く度に『お帰りなさい』と迎えてくれて元気をもらった。原点に戻って、小さくても良いから続けてくれれば、飛んでいくのに…」と惜しむ。

今年の運営費9900万円のうち6700万円が市の財源で賄われた。600億円以上の負債を抱え、財政再建団体入りを表明した夕張市に主催し続ける余力はない。

地元ボランティアで組織する「ゆうばり映画祭応援団」の沢田直矢代表は「現状では中止はやむを得ないが、いつかは市民が納得する形で再開してほしい」と希望をつないでいる。


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