日米の視点で迫る 歴史に残る激戦
イーストウッド 硫黄島プロジェクト 第2部 クランクアップ
5月17日(水) 東京朝刊 by 松本明子
太平洋戦争の激戦地となった硫黄島(東京・小笠原村)。そこでの戦いに真正面から取り組んだクリント・イーストウッド監督による“硫黄島プロジェクト”第2部「硫黄島からの手紙」(12月公開)が先月下旬、クランクアップした。第1部「父親たちの星条旗」は10月公開される。

主演の渡辺謙に演技指導するクリント・イーストウッド監督(左)
主演の渡辺謙に演技指導するクリント・イーストウッド監督(左)


「許されざる者」(1992年)と「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)で、2度にわたって米アカデミー賞監督賞を受賞しているイーストウッドが、歴史に残る戦いを日米双方の視点から描いた前例のない二部作。スティーブン・スピルバーグらとともに両作品の製作にも名を連ねている。

「父親−」はポール・ハギス脚本で、「クラッシュ」のライアン・フィリップらが出演。日系米国人のアイリス・ヤマシタ脚本による「硫黄島−」には渡辺謙、二宮和也(嵐)、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童らが出演し、注目を集めている。

イーストウッドは「死を覚悟して島に入った日本兵の気持ちをできるだけ表現しようと思った。人生がそうであるように戦争も善悪だけではすまされない。多くの霊が眠る島に敬意を表する」と語る。

いまや国際派俳優となった渡辺は日本軍を率い、40日近くに及ぶ死闘を繰り広げた栗林忠道中将を演じる。米国の教育を受けた栗林中将について、「本や資料を読んで、こんなにユニバーサルな考え方を持つ日本人が60年前にいたのか、と感動した。撮影現場はおおかた殺伐としているものだが、クリントの現場は穏やか。撮り方も丁寧でしかも迅速。でも試されているという緊張感、責任感はあった」。

一方、イーストウッドは「謙はスクリーン上でも個人としても存在感のある男。イマジネーション、クリエイティビティーのある栗林には絶対必要な俳優だった」と、渡辺を絶賛した。

二宮は栗林と運命をともにする心優しき兵士、西郷。伊原は1932年のロサンゼルス五輪馬術競技で優勝した西竹一。加瀬は理想主義に燃える元憲兵隊員、清水。中村は栗林の奇策を拒む厳格な伊藤大尉をそれぞれ演じる。

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