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団塊の第2幕 「開演」後押し
懐かしのシリーズ、続々復活 ロッキー、インディ・ジョーンズ…
10月10日(火) by 岡田敏一
「ロッキー」「ランボー」「インディ・ジョーンズ」「ダイ・ハード」…。1980年代を中心に一世を風靡(ふうび)した、主人公が超人的な活躍をする人気シリーズが米国で次々と公開される。シルベスター・スタローン(60)、ハリソン・フォード(64)、ブルース・ウィリス(51)はいずれも、日本の団塊の世代にあたる米国のベビー・ブーマー世代。ちょっぴり老いを隠せないヒーローたちの体当たりの演技が、同世代の心を揺さぶっている。()

 今年のクリスマス映画として登場するのが、スタローンを一気にスターダムに押し上げた「ロッキー」シリーズ(76〜90年)の16年ぶりの第6作となる「ロッキー・バルボア」(国内公開日は未定)。妻エイドリアンに先立たれたロッキー(スタローン)が現役復帰し、再び世界ヘビー級チャンピオンをめざすというストーリー。もちろん、迫力ある殴り合いもふんだんにある。

そして来年には、「ロッキー」と並ぶスタローンの人気シリーズ「ランボー」(82〜88年)の最新作(第4作)が、19年ぶりにスクリーンに帰ってくる。ランボー役はもちろんスタローンで、激しい戦闘アクションに挑んでいる。

一方、「ダイ・ハード」シリーズ(88〜95年)でアクションスターの地位を確立したウィリスは、前作から12年ぶりとなる「ダイ・ハード4」に主演。早ければ来夏に米国で公開される。フォードも、スティーブン・スピルバーグ監督とのタッグで3作とも大ヒットを記録した「インディ・ジョーンズ」シリーズ(81〜89年)を復活させ、19年ぶりとなる08年に公開される予定だ。

このほか、シャロン・ストーン(48)の大ヒット作「氷の微笑」の続編も14年ぶりに今年公開されており、熟年スターたちとその人気シリーズがハリウッドで脚光を浴びている。

そんな状況について、「知名度の高い大スターやかつての人気シリーズに頼るしかないからだ」(映画業界関係者)と、背景にハリウッドの低迷があるとする声も少なくない。しかし、映画評論家の川本三郎さんはそれだけではないとする。

「どこか老いを感じるようになった米国のベビー・ブーマー世代が、同世代のスターがスクリーンで頑張る姿に共感を覚えていると考えるべきだ。米国人は年齢に関係なく、前向きでアクティブな生き方を好みますから」と分析する。

実際、ベビー・ブーマー世代のハリウッドスター、マイケル・ダグラス(62)は産経新聞の取材に対し、「年をとったからといってアクション映画を軽視するのは間違いだし、フォードが演じたインディ・ジョーンズは素晴らしい。私もまだ40代のつもりで、あの演技を参考にアクションにも挑んでいる」と意気盛んなところを見せる。

日本でも、約700万人といわれる団塊の世代の定年退職が来年から本格化する。老いに逆らうように躍動するロッキーやインディ・ジョーンズの姿は、“第2の人生”を迎える団塊の世代に元気を与えてくれそうだ。

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