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意気込む中井貴一さん
微妙な歴史背景 日中合作映画クランクイン 
   東京朝刊 by  福島香織=北京
日中国交正常化35周年の来年秋に公開を目指す日中合作映画「鳳凰」(金●(=王へんに深のつくり)監督、制作費1億5000万円)がクランクインした。俳優の中井貴一さんがプロデューサー兼主演を務める。中井さんは「『映画人』として、政治にはできない日中交流を」と意気込みをみせる。

映画「鳳凰」の撮影成功を祈願して焼香する主演の中井貴一さん(左)とヒロインの苗圃さん(撮影・福島香織)

中井さんにとっては2度目の中国語映画への出演となる。前回出演した「ヘブン・アンド・アース」(何平監督、2003年)を見て中井さんの演技にほれ込んだ金監督たっての願いで引き受けた。

中井さんは主役の中国人囚人役で、実力派女優、苗圃さん演じるヒロインの恋人。監獄という特異な環境と歴史に翻弄(ほんろう)された実在の男女の30年にわたる恋愛叙事詩を、中国でも性格俳優として高い評価を受けている中井さんがオール中国語で臨む。

当局の検閲が厳しい中国で、日中の微妙な歴史を背景とした映画に出演することに「葛藤(かっとう)はあった」という中井さん。だが、「僕の誕生日は9月18日(満州事変の発端となる柳条湖事件発生日)。それにはきっと意味がある。日中の交流の先陣をきっていくことが僕の役割ではないか」という。

中井さんはスタッフの中で唯一の日本人だが、プロデューサーとして脚本などにも直接かかわっており、中国のプロパガンダに終わらない高水準の人間ドラマが期待されている。

今月15日のクランクインの際は、中井さんと苗さん、共演の郭濤さん、金監督らが焼香し撮影の成功を祈願。中井さんが「加油(ジャーヨウ=がんばれ)!ガンバ」とスタッフに気合をいれた。

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