PDFファイル受信可、開閉式キーボード…
ウィルコム新機種 パソコン化進むモバイル市場
7月5日(水) 東京朝刊
PHS最大手のウィルコムは4日、音声通話に加えて、パソコンに近い機能も搭載したPHS端末「W−ZERO3」シリーズの最新機種「es」を今月27日から発売すると発表した。従来はPDA(携帯情報端末)に近い外観だったが、小型軽量化によって外観を通常の端末に近づけ、すそ野拡大を狙う。携帯電話各社も、パソコン向けのホームページを閲覧できる機能を搭載するなど、携帯やPHSなどのモバイルと、パソコンとの垣根が低くなってきた。

ウィルコムが開発したPHS端末「W−ZERO3」シリーズの最新機種「es」(共同)
ウィルコムが開発したPHS端末「W−ZERO3」シリーズの最新機種「es」(共同)


「音声系とデータ系を橋渡しする製品だ」。4日に都内で記者会見したウィルコムの八剱洋一郎社長は、音声通話が基本のPHSと、データ系が中心になるパソコンの両機能を備えたことを強調。端末を開発したシャープの松本雅史副社長とマイクロソフト日本法人のダレン・ヒューストン社長も同席した。

基本ソフト(OS)には、米マイクロソフトの「ウィンドウズ」を採用し、「ワード」や「エクセル」などのビジネス向けソフトを標準搭載。端末にはパソコンと同じフルキーボードが開閉式で装備され、簡単に入力できる。外出先でファイルを作成して送信したり、地図画像やPDFファイルも受信可能など、パソコンのような利便性が売りだ。

最新機種は、画面サイズは小さくなったが、従来よりも45グラム軽い約175グラムと軽量化。連続待ち受け時間は2・5倍の約500時間と大幅に向上した。価格も1万円程度安い2万9800円から購入できる見通し。シリーズ全体では、今年度に50万台の販売目標を掲げるなど鼻息は荒い。

一方、携帯電話各社もパソコンとの親和性を打ち出している。ドコモは昨年7月にタッチパネル式のフルキーボードを搭載した「M1000」を発売。社内LAN(構内情報通信網)とも連携できるなど、ビジネス用途を意識した。また、KDDI(au)は、検索大手のグーグルと提携。パソコン検索のように簡単に携帯サイトを探せる仕組みを構築する。

パソコン界の雄、マイクロソフトも「モバイルの世界に積極投資したい」(ヒューストン社長)と意欲的。今後はモバイル市場の“パソコン化”をめぐって、開発競争が過熱しそうだ。

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