東京・渋谷のパルコ劇場
水野美紀 舞台「開放弦」を語る
7月13日(木) 東京朝刊 by 柳谷昇子
女優の水野美紀が、14日から東京・渋谷のパルコ劇場で上演される「開放弦」に出演する。岸田戯曲賞受賞の若手劇作家、倉持裕が書き下ろした初のラブストーリーを、人気の演出家、G2が手がけた。水野は「独特の会話劇の面白さがある」と話す。

舞台は都会から遠く離れた農村。一軒の家に遠山(丸山智己)と恵子(水野)が住んでいる。二人は新婚夫婦だが、なぜか態度がよそよそしい。その理由を遠山のバンド仲間(大倉孝二)だけが知っており、遠山の元恋人(京野ことみ)は二人の仲を疑っている。そんな中、取材旅行中の漫画家夫婦(河原雅彦・犬山イヌコ)や編集者(伊藤正之)らがやってきて…。

「ラブストーリーのカテゴリーにスポッとはまるタイプの作品ではないんですね。人間関係のズレ、それぞれ思うことが一方通行で、うまく伝わらないもどかしさやいごこちの悪さが全体を覆っていて、独特の雰囲気がある」と水野。

恵子については、「おとなしそうに見えて、みんながびっくりするような大胆なことをしたり、人に気を遣おうとすると空回りしたりと、アンバランスな人。人間っぽく、ずるいところもあるキャラクターなので生っぽく息を吹き込んでいければ」という。

それぞれの事情と思惑を抱えた男女7人の会話劇を通し、ぎこちなく不思議な恋愛物語がつづられていく。

「誰かと誰かがカップルになったり、何か問題が解決して終わりという物語ではない。見る人によって自分に置き換えるキャラが違い、個人的視点から見て、『どう思った?』『私はこう思う』という感想を人に話したくなると思う」

タイトルの「開放弦」とは、押さえない状態の弦のこと。劇中ではギターサウンドが重要なシーンを担うが、音楽を担当するのは日本のジャズ界を牽引するギタリストの渡辺香津美。彼の大ファンというG2のラブコールを受けて実現した。

舞台でギターを手にする水野は「弾くというより、意外な使い方をします。楽しみにしていてください」と話している。

●●●30日まで。TEL03・3477・5858。
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