博多焼きラーメン、佐世保バーガー… 
ご当地食品 静かなブーム
7月25日(火) 東京朝刊 by 深沢真貴
“ご当地もの”といわれる「地域ならではの食べもの」が全国規模で静かなブームを呼んでいる。一部ファンの口コミもあって、広く知られるようになった商品も登場してきた。この人気に着目した食品メーカーやコンビニエンスストア各社が新商品を投入しており、消費者の間でじわじわと支持を広げているようだ。

ファミリーマートが18日から販売している「佐世保バーガー」
ファミリーマートが18日から販売している「佐世保バーガー」


甘いバンズ(パン)と甘いマヨネーズ、そしてたっぷりの具材−。ハンバーガー伝来の地として知られる長崎県佐世保市では、これがハンバーガーの定番だ。戦後間もない昭和25年ごろに米海軍から伝わったレシピを元に独自の発展を遂げたもので、最近では「佐世保バーガー」として全国的に注目を集めている。

コンビニ大手のファミリーマートがこの「佐世保バーガー」を昨年7月に九州と北陸地区で限定販売したところ、通常のハンバーガーの約6倍を売り上げるなど好評で、18日からは全国で売り出した。

価格は360円とやや高めの設定だが、パティ(ハンバーグ)以外にもベーコンや目玉焼き、野菜などの食材をふんだんに使用。ボリューム感たっぷりのハンバーガーに仕上げたという。

永谷園が販売している「焼きラーメン」
永谷園が販売している「焼きラーメン」


永谷園は福岡・博多の屋台で誕生した「焼きラーメン」を商品化し、3月から販売している。博多名物の豚骨ラーメンの素材をそのまま使い、麺や野菜を豚骨スープでいためるため、とろみのある食感とラーメンの香りが特徴的だ。

夏向けのラーメン商品を企画するにあたって、「夏にふさわしく手軽に調理できる」(同社)焼きラーメンに着目。主な購買層として想定した主婦はもちろんのこと、ラーメン好きの男性の支持も獲得し、6月末までに5億6000万円を売り上げたという。

このほかでは、明治製菓が札幌で人気の「スープカレー」、サークルKサンクスも中京地区の定番菓子「おにぎりせんべい」を全国展開している。

「ご当地もの」に対する消費者の関心は年々高まってきた。百貨店が全国各地の駅弁を販売するフェアでは、売り切れ商品が続出するほどの盛況ぶり。また、旅行先での食べ歩きを楽しむ人も増えている。

ファミリーマートでは一昨年からご当地ものを紹介するフェアを実施しているが、「地方に行かないと食べられないものが近所のコンビニで気軽に買える」と来店客の評判も上々とあって、この静かなブームはしばらく続きそうだ。

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