LOVEHOLIC 映画監督 小泉徳宏
映画「タイヨウのうた」(17日公開)は、「海猿」(平成16年)「ALWAYS 三丁目の夕日」(17年)と矢継ぎ早にヒットを飛ばしている映画製作会社「ROBOT(ロボット)」の新作だ。なんと同社映画部の新鋭で弱冠25歳の小泉徳宏を監督に起用。若くして劇場長編デビューを飾る小泉に話を聞いた。
前向きに素直に生きている。劇場を出たときにもそんな気分になれる作品にしたかったんです

2プラス1

LOVEHOLICはチソンのほかミン(ギター)とハキス(ベースとプログラミング)というふたりの男性がメンバー。

「私以外のふたりは韓国では有名なミュージシャンなんですよ」

LOVEHOLIC
LOVEHOLIC


ミンは、日本ではWeather Forecastという名前で紹介されたバンドのボーカルを担当していた。このバンドの「君さえいれば」という歌は2004(平成16)年に放送されたテレビドラマ「東京湾景〜Destiny of Love〜」(フジ系)の主題歌に使われたので、記憶している読者もいるだろう。「君さえいれば」は、さらに華原朋美がカバー。そのシングル「あなたがいれば」は、同年の日本レコード大賞金賞をとっている。ハキスも韓国のヒットメーカーで最近は映画の音楽監督などにも進出している。

運命の応募 LOVEHOLICは、そのミンとハキスが結成した新ユニットで、第三のメンバーとなるボーカリストはネットで公募した。応募したのがチソンだった。

チソン母親が高校の美術教師で父親が音楽好きという家庭で弟がふたりいる長女として育ったチソンは、幼いころから絵をかくのが好きで美大に進んだ。大学に入ってからバンドに参加してうたうようになった。

ヘビーなサウンドのファンクロックで高音を駆使してシャウトしていたというチソン。ミンとハキスによるボーカリスト公募は、そのバンドが解散して空白の日々が続いているときだった。前のバンドのギター奏者に教えられたのだが、「これだ!」とひらめくものがあったと振り返る。

「今考えればうたいたい欲求による錯覚だったのかもしれませんが、あのときは“運命”を感じました」

ショートヘアにスッキリとした面だちは、宝塚歌劇団男役スター、水夏希を連想させる涼しさが漂う。比較的静かな語り口。こちらは韓国の言葉はまったく分からないが、向かい合って聞いているとなんだか話の中身が分かった気分になる。やはりかの国は近い国なのか。

そういえば韓国はIT文化が発達している。応募もネット上でしたのかと問えば「郵送でした」と笑う。

必要な書類とこれまでのパフォーマンスを収めたCD−ROMを郵送した結果、ミンとハキスがいるスタジオでうたう最終審査まで残った。課題曲はナタリー・インブルーリアの「トーン」。オーストラリアの歌手で日本では同曲は飲料のテレビCMに使われている。そして偶然にもチソンのフェイバリットソングだった。「運命」と彼女が振り返るのも無理はないのかもしれない。

「いいね」。ミンとハキスの反応はすこぶるよかった。歌唱力うんぬんよりも音楽性の共振、のようなものを感じとったのかもしれない。チソンが選ばれた。

「私が選ばれるにきまっているという直感のようなものがありました。私の直感は当たるんですよ。大学入試のときだって、合格だって感じたら合格したんですから。後で聞いたらボーカル選考の競争率は600倍だったそうです。ともかく運命だったのだと思っています」

なぜ恋愛依存症候群なのか 男性2人に女性ひとり。男性ふたりが年上でキャリアもあることから「私の話をよく聞いてくれますし、とても民主的ですよ」という。

LOVEHOLICというユニット名も投票で決めたのだという。「こうやって」と空中に「正」の字を書いてみせる。韓国も日本と同じなのだ。

「結局、投票の結果は別の名前だったんですけど、すでに曲名としてあった『LOVEHOLIC』に全員が未練があって、最終的にはこれになったんですけどね」

「LOVE」と「HOLIC」を合成した造語だ。

LOVEHOLIC

「holicは何かに溺れているような精神状態をいいます。自分で自分を統制できないぐらいに恋に溺れている。私たちの音楽にもそういう部分がある。そういう意味ではほんとにうよい名前なんですが、holicという言葉が分かりづらいかと心配して当初はボツにしていたんです」

ちなみに、その「LOVEHOLIC」は結局、彼らのデビュー曲になった。エイトビートの軽快なリズム。明るさと悲しみの混じった美しい旋律。ビートルズファンだというハキスならではの曲に、チソンの細いけれど確かな歌声が三位一体となり彼らを代表する名曲。しかし、韓国ではこの歌をうたうチソンに対して「愛想がない」という批判も出たという。

「私は楽曲からの影響をすぐに受けてしまうんです。『LOVEHOLIC』は軽快なテンポで悲しい内容をうたっています。ですから、あの歌をうたっているときの私はとてもつらい気持ちなんですよ」

韓国の音楽市場の大勢を占めるのはバラードとダンス音楽。そちらがメーンストリームだとすればLOVEHOLICのようなポップロックは“アンダーグラウンド”のものなのだという。それでも彼らの作品はヒットチャートのトップ10入り常連。あのヨンさまことペ・ヨンジュン主演映画「四月の雪」をはじめ映画、テレビでもしばしば使われて“挿入歌の帝王”なる異名もあるとか。

「私たちの音楽は映像とマッチするのだと思います。日本では韓流ブームが起き、韓国の映像作品に親しんでいる方も多いと聞いていますので、私たちの音楽も受け入れていただきやすいのではないかと期待しています」

B型の彼女 LOVEHOLICとしてイベント出演のため、あるいはプライベートでの旅行などで日本には10回以上きているのだという。集中力をもって臨んでくれる日本の観客からは、激しい反応を示す韓国の観客とは違うエネルギーをもらえるので大好きですと話す。

LOVEHOLIC 緊張はしないのだという。そもそもすでに一定のキャリアをもっているふたりとのユニットでデビューすることについても「プレッシャーはなく、ただ楽しい、うれしいと感じただけでした」という。

「私の中にはふたつの面が同時に存在しています。内気と社交性。女性らしさと男性らしさ。静けさと騒々しさ」

なるほど。血液型はAB型かな? と、らちもないことを考えていたら「あの〜」と上目遣いでこちらを見て問う。「日本の人たちもやはり血液型による性格分析なんかしますか?」

はい。韓国でもそうなんですかと受けると、うれしそうに笑って「じゃあ、いいますね。私はB型なんです!」

そういえば「B型の彼氏」(2005年)という韓国映画もあった。観ていないけれどイ・ドンゴン演じるわがままで気まぐれなB型男が…というストーリーだったよう。

B型の彼女をボーカルにすえたLOVEHOLICは日本の聴き手をどこまで夢中にさせられるか。

LOVEHOLIC「フローリスト」

F.L.O.R.I.S.T

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12.SAD STORY
13.WISH YOU LUCK
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公式サイト
http://www.loveholicweb.jp/
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