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秋が“旬”
「エクレア」七変化 味に色にバリエーション 
  東京朝刊 by 榊聡美
この秋、がぜん注目を集めている「エクレア」。チョコレートがかかった細長いシュークリーム、というイメージはもう古い!? フランス発の目にも楽しいカラフルなエクレアが日本でもブームの兆しを見せている。

ポップな色彩のもの、ヘーゼルナッツやマロンなど季節の素材を使ったものなど新感覚のエクレアが人気。価格は400円前後=日本橋高島屋「フォション・ブティック」

楽しみ方は日本風
どちらかといえば地味なスイーツだったエクレア。本国、フランスでも同様だったが、近ごろではバリエーションが広がっている。

「エクレアはフランス人が子供のころから親しんでいるお菓子。どこの菓子店にもあるけれど、どこもチョコレートとモカの2種類しかなかった」。フランスの高級食料品店「フォション」の洋菓子担当エグゼクティブシェフ、クリストフ・アダン氏はそう説明する。

同氏は遊び心とモダンな感覚でフランスの伝統的なスイーツであるエクレアを“変身”させ、そのバリエーションは何と20種類にもおよぶ。その一部は日本でも販売され、人気を呼んでいる。日本橋高島屋(東京)の地階にあるフォション・ブティックには、銀箔(ぎんぱく)が飾られたものあり、黄色とピンクのアートな模様のものあり…。従来のイメージを覆す6種類のエクレアが人目を引いている。

見た目だけでなく、中に詰まっているクリームもキャラメル、紅茶、マロンなど、従来のカスタードとはひと口もふた口も違うものばかり。

パリでもこうしたカラフルなエクレアが流行中とか。その背景には、フランス人のスイーツの楽しみ方が“日本風”になってきたことが挙げられる、とアダン氏は指摘する。フランスではケーキなどは1個丸ごと買ってきて、切って取り分けるのが一般的だったが、「近ごろでは個々に好きなものを選ぶスタイルに変わってきた。種類も増え、選ぶ楽しさが加わったことで、エクレアが見直されるようになったのです」

5色で女心つかむ
東京・表参道駅構内にある「マムールエス エチカ表参道店」。資生堂パーラーがプロデュースする同店のコンセプトは、「フランスの駄菓子屋さん」。

「マムールエス エチカ表参道店」には5色のエクレア(1個200円)が。さくっとしたシューと、とろりとしたクリームの食感が楽しい

ピンク、白、黄色…。ケースに並んだ5色のエクレアに、女性たちが思わず「かわいい!」と声をあげる。チョコやモカのおなじみの味に加え、黄色のコーティングをした「シトロン」はレモン、ピンクの「フランボワーズ」はラズベリーがクリームに入っており、その酸味の効いた味は舌に新鮮だ。女性だけでなく、「差し入れに」と5色まとめて買ってゆくサラリーマンも多いという。

「日本人でもどこか懐かしさを感じる、癒やされる味わいがエクレアの人気の理由ではないでしょうか」と資生堂パーラー広報室、名和智美さんは分析する。

暑さが大敵で、夏場は販売を中止する店もあるエクレアは、秋冬が“旬”。癒やされる味わいの定番と、あっと驚く変わり種−。一度、食べ比べてみてはいかがだろう。



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