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“あなたは一人ではない。”
いじめ自殺 松井選手がメッセージ 
  東京朝刊
各地で続く学校でのいじめを苦にした子供の自殺に、ニューヨークでオフを過ごしているヤンキースの松井秀喜選手(32)から産経新聞にメッセージが届いた。かねて子供を取り巻く環境に関心を持つ松井選手にとって、日本から届くニュースの数々は悲しくてならない。いじめ自殺の再発防止に向けた動きが続く中、松井選手は「あなたの周りにはあなたを心底愛している人がいる。もう一度じっくり考えてほしい」と子供たちに訴えた。

ニューヨークヤンキース・松井秀喜選手

松井選手は現在、本拠地ヤンキースタジアムで週に2〜3度、シーズン中に骨折した手首の可動域を広げる運動などを行っており、11月中旬に帰国する。その一方で、左手首のリハビリ中に受け取った日本人学校の生徒への謝意を伝えるため、10月18日から約2週間にわたり、日本人学校6校を巡る“お礼行脚”も行った。ふれあった児童、生徒の数は延べ1625人。「今度は優勝報告で来られるといいね」と来季の世界制覇を改めて誓っていた。

子供を対象とするファンデーション(基金)の立ち上げを目指す松井選手はかつて、「いじめ撲滅」に向けて「人は夢を持っていると思う。僕の夢は野球そのものだった。いじめることが夢なんて人は一人もいないはずだ。かなう夢、かなわない夢があると思うけど、いじめは夢の遠回りになっている」とメッセージを発したこともある。

いじめ問題については6日、池坊保子文部科学副大臣が昨年9月に北海道滝川市の小学校で起きた自殺について現地を訪れ、北海道教育委員会や遺族らから聞き取り調査を行った。自殺した小6女児の遺書にはいじめを訴える記述があったが、市教委は当初、遺書を「手紙」と呼び、「いじめがあったとは考えていない」としていた。

福岡県筑前町で起きた中学2年の男子生徒のいじめ自殺では町教委が調査委を立ち上げ、近く学校側がまとめる報告書をもとに議論が行われる。

文科省は相次ぐいじめ自殺に対する各教委の対応について「調査目的や調査方針が必ずしも明確でなく、遺書の公表など慎重になりすぎ。教職員一丸となった日常的な生徒の状態把握に課題があった」と、共通する問題点を指摘している。

本紙に寄せた全文
次々と子供たちが自らの手で命を絶つことには、僕も我慢がなりません。いろいろな理由があるにせよ、いじめをしている人、いじめで悩んでいる人には、もう一度じっくり考えてほしい。

あなたの周りには、あなたを心底愛している人がたくさんいるということを。それは家族であり、親戚(しんせき)であり、友人であり、先輩であり、後輩であり、時にはペットであるかもしれません。

人間は一人ではない。いや一人では生きてはいけないのです。だから、そういう人たちが悲しむようなことを絶対にしてはいけないと僕は考えます。相手の身になって、もう一度考えてみてください。

ニューヨーク・ヤンキース 松井秀喜



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