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販促に強いられる ひと工夫
ボージョレに大逆風! 価格上昇、飲酒運転禍…試飲会は自粛
  東京朝刊 by 高橋寛次
フランス産赤ワインの新酒、ボージョレ・ヌーボーの解禁が16日に迫った。今年の品質は、“奇跡のヌーボー”といわれた上出来の昨年に劣らない味とされる。しかし、ユーロ高に伴う価格上昇や飲酒運転問題による試飲会自粛の影響で、輸入数量は減少の見込みだ。輸入販売各社は人気漫画を利用した販売促進や、外食店舗の新展開など、あの手この手で販売の増大策を練っている。

昨年の反動も
1ユーロ=150円を突破した円安ユーロ高や、原油高騰による輸送費の増大、5月の酒税法改正によるワイン増税と、輸入ワイン販売各社はコスト増のトリプルパンチに見舞われた。厳しい状況を受けてメルシャンは、750ミリリットル入りボトルのボージョレの希望小売価格を前年より70円高い2380円とした。キッコーマンも売れ筋商品を前年比150円高の2450円に設定している。

到着したボージョレ・ヌーボーの初荷。コスト増の逆風下、輸入販売大手はひと工夫した販促活動で今年の解禁日を迎える=10日、成田空港
到着したボージョレ・ヌーボーの初荷。コスト増の逆風下、輸入販売大手はひと工夫した販促活動で今年の解禁日を迎える=10日、成田空港
さらに、飲酒運転の社会問題化も影を落とす。スーパーなどは相次いで試飲会の自粛を決めており、店頭販売への影響は避けられない。

こうした“逆風”に加えて「昨年は店舗で売れ残りが出た反動で、仕入れを確実な需要に絞る傾向がある」(輸入大手)とし、総輸入量が前年の約100万ケースを下回る公算も大きい。

差別化に工夫
そうした中、メルシャンは前年を2割近く上回る輸入量を確保した。同社は今年、ワインを題材にした人気漫画「神の雫」の作者が描いたラベルのヌーボーを初めて販売する。「流通関係者に漫画を読んでいる人が多く、引きが強い」とされ、同社は輸入量の半数近くを同ラベルとし、他との差別化を進めた。

また、サッポロビールは、亜硫酸などの酸化防止剤を使わない「酸化防止剤無添加」のヌーボーを初めて発売する。すでに販売予定量の3000ケースすべてが、流通段階の予約で埋まるほどの人気ぶりだ。健康志向の強い日本人向けに、無添加に適したブドウでつくったというこりようだ。

“定食”も登場
一方、定食店を展開する大戸屋(東京)は今年初めて、ヌーボーを扱う。ビールなどで取引のあるキリンビールから仕入れ、グラス1杯262円で販売する。定食との相性のよさを打ち出す作戦だ。解禁の当日、店内に掲げる販促用広告にはワインアドバイザーの言葉として「甘酸っぱい黒酢をからめた豚肉や鶏肉と合わせると、すばらしい相乗効果を引き出す味わい」とし、黒酢を使った同社の人気メニューと一緒に飲むことをすすめる。

コンビニエンスストア大手のファミリーマートも14日から、ヌーボーに合うパスタやスナック菓子などの独自商品を売り出し、販売の相乗効果をねらう。

大手6社の輸入数量





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