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特定保健用食品で売り上げ増
サントリー「黒烏龍茶」ができるまで
  東京朝刊 by 頼永博朗
「食事と一緒に飲むと脂肪の吸収を抑えられます」。こんな機能性が、健康ブームに乗って受け入れられ、特定保健用食品のウーロン茶として売り上げを伸ばしている。

サントリー「黒烏龍茶」を開発した矢野弘美さん=14日、東京都港区(撮影・瀧誠四郎)

開発に乗り出したのは4年前。昭和56年に発売し、ロングセラー商品となっている「烏龍(ウーロン)茶」には「健康的」というイメージがあったが、健康飲料部の矢野弘美さんは「生活習慣病の予防に関心が高まるなか、科学的な根拠に基づいた商品も必要と考えたのがきっかけです」と話す。

ウーロン茶の、どの成分にどんな効果があるかを解明するという課題に取り組んだ結果、茶葉を半発酵する過程でカテキン類が結合してできる成分のうち、「ウーロン茶重合ポリフェノール」と名付けた成分が食事で摂取した脂肪の吸収を抑え、食後の中性脂肪の上昇を抑えることが判明した。

同社の健康科学研究所などの研究によると、ウーロン茶重合ポリフェノールを強化した飲料を高脂肪食品とともに、10日間継続して飲むと、ポリフェノールを含まない飲料を飲んだときより脂肪の総排泄(はいせつ)量が約2倍増えるという結果を得たという。

また、商品1本(350ミリリットル入り)には、ウーロン茶重合ポリフェノールが70ミリグラム含まれている。食事と一緒に飲むと、食後の中性脂肪の上昇が約20%抑制できるというデータもある。矢野さんは「脂肪の多い食事をとりがちな方や、血中の中性脂肪が高めの方の食生活改善に役立ちます」と言う。

清涼飲料水では珍しい黒いラベルが、売り場で強い個性を主張。「食事とともに」という商品特性から、総菜や弁当売り場に置く小売店もあり、消費者が手に取りやすくなっている。飲食店など業務用の引き合いも増えているほか、10月からは丸みを帯びた自動販売機用ボトルを投入。さらなる普及を目指している。

脂肪のとりすぎが指摘される現代人。日本の肥満人口は約2570万人ともいわれる。矢野さんは「苦みや渋みが少なく、どんな料理にもよく合います。当初は30〜50代の男性を購買層の中心と見込んでいましたが、若い女性など幅広く飲んでいただいているようです」と話している。



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