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高額なもの「買い与える」8割の親
今どき、横並びの親子関係 「壁」より「仲よく」
  東京朝刊 by 岸本佳子
子供が高額なものを欲しがったら、8割近くの親は「買い与える」。化粧をしたいといったら、約4割は「学校が休みのときならいい」などの理由で許可する−。小・中学生のいる家庭を対象に行われたアンケート調査で、こんな結果が明らかになった。調査結果からは、子供の意向に沿う傾向が強く、“ものわかりのいい親”になろうとする姿が浮かび上がってくる。


8割が買い与える
今回の調査は、サントリー次世代研究所(大阪市北区)が現代の子供と親の意識や動向を把握しようと、3回連続で実施している調査の2回目。首都圏の小学4年生から中学3年生までの子供がいる615家庭を対象に、小遣いやお金の使い道、ファッションやおしゃれへの関心、メディアやコミュニケーションについて、親子それぞれにアンケートを行った。

お小遣いをもらっていると回答したのは、小学生が65・7%、中学生が76・2%。1カ月の小遣い額は、小学生は1000円未満が75・2%、中学生は2000円未満が56・5%だった。使い道(複数回答)は、「本・雑誌・漫画」「食べ物・飲み物・お菓子」「貯金」がベスト3。

高額なものが欲しいとき(同)には、「両親に頼んで買ってもらう」が54・1%で、次いで「小遣いをためたり、貯金を下ろす」(46・1%)▽「あきらめて買わない」(41・7%)▽「祖父母らに頼んで買ってもらう」(26・9%)の順。

一方、母親の回答は、「必要であれば買う」が19%、「誕生日やクリスマスなどのプレゼントとして買う」が56・9%で、買い与える親が8割近く占めた。「とりあわない」(0・7%)、「買わない理由を話しあきらめさせる」(4・9%)など、断固買わないという家庭は少数だった。

小遣い以外に、お駄賃やごほうびを渡す親も、それぞれ55・4%、64・4%。お駄賃を与える理由は「家事の手伝いをした」「お使いをした」「兄弟の面倒を見た」など。「お金は労働の報酬であることを理解させるのに役立つ」「家のお手伝いをする習慣が身につく」など肯定的な意見が半分以上を占め、「手伝うのは当然なのでお金を渡すのはよくない」という否定的な意見は30・7%にとどまった。

理解ある親志向
化粧については、小学女子の30・5%、中学女子の39・8%が「した、しようとしたことがある」と答えた。髪染めもそれぞれ12・8%、16・3%だった。子供が化粧や髪染めをしようとしたとき、親の対処として目立ったのは、「学校が休みのときだけならいい」という回答だ。化粧では34・8%、髪染めでは21・7%を占めていた。「絶対だめとしかった」という親は、それぞれ2・2%、4・3%と少数派だった。

携帯電話は、中学生の約6割が所有。まだ持たない子供の親に、持たせてもいい時期を尋ねると、中学生から高校生以上、と答えた親が8割以上で、「持たせたくない」という親は約2%だった。また、中学生の親の約8割は「友達とのコミュニケーションに役立つ」と考え、「親子のコミュニケーションに役立つ」という親も約4割いた。

「事前調査の段階で、『親子一緒にコンサートに行きます』など、仲のよさを強調する親が多いことに注目していました。実際に調査してみて、親子が“横並び”だということを実感しました」と話すのは、同研究所課長の狭間惠三子さん。

「化粧や髪染めなども、『絶対だめ』と自信を持って言い切る親は少なく、携帯電話も『みんな持っている』といわれると、なんと答えていいのかわからないのかもしれません。現代の親たちは、子供の前にはだかる『壁』になることを避け、子供の話によく耳を傾ける、理解ある親を志向しているように思います」と分析している。



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