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大型の洗濯・乾燥機、カフェ併設…
コインランドリー サービス合戦過熱 
  東京朝刊 by 海老沢類
コインランドリー店が新しいサービスの提供にしのぎを削っている。布団や毛布をまとめて丸洗いできる大型の洗濯・乾燥機をそろえたり、待ち時間を快適に過ごせるカフェを併設したり。預かった衣類を代わりに洗濯してくれる店も現れた。切れかかった蛍光灯にページが破れたマンガ雑誌…銭湯の隣にある独身男性が集う場というイメージは、もはや過去のもの?

コインランドリー サービス合戦過熱

自分の時間を作る
 アパレルショップやカフェと間違えて入店する人もいる。洋楽が流れる店内には米国製の洗濯機と乾燥機が計11台。木目調の内装と書棚に並んだファッション誌がおしゃれなムードを演出する。  東京都渋谷区の高級住宅街にあるコインランドリー&デリバリー「WASH&FOLD」。“売り”は、持ち込まれた衣類を洗濯・乾燥し、折りたたんで返す「洗濯代行サービス」だ。  洗濯物は6〜8キログラム入る専用バッグに詰め、持ち込みなら1袋1800円、集荷・配達サービスを利用すると2400円。1日で仕上がる点が独身者や共働き世帯の人気を集め、休日には店内の洗濯機がフル回転する。  「『下着を他人に見せるのは嫌だ』という人向けに特別な洗濯用ネットを準備しているが、それを使いたいという声はほとんどない。多くが他の洗濯物と一緒に出されている」と、同店を運営するアピッシュの山崎美香社長。「洗濯代行はアメリカでは定着したサービス。誰がやっても同じ洗濯は外に頼み、好きなことに使える時間を増やすのもいいのでは」と話す。
仕上がり通知
 洗い屋本舗(東京都八王子市)は、大型の洗濯機・乾燥機をそろえた店舗を首都圏を中心に積極展開している。昨年、神奈川県津久井町に開いた店は、80平方メートルを超すスペースに、22キログラムの大型洗濯機など18台をそろえる。羽毛布団4枚を洗っても、洗濯・乾燥合わせて1800円ですむ。  季節の変わり目になると、車にこたつ布団や毛布を詰め込んで来店する主婦が多いという。また、客の携帯電話に、洗濯機の空き状況や仕上がり時刻を知らせるサービスも10店で導入している。  待ち時間を楽しんでもらう工夫も進んでいる。  横浜市都筑区の新興住宅街にある「マンマチャオ北山田店」は店の隣にカフェを設置した。常駐するカフェの店員が、機械の使い方など分からないことがあれば対応してくれる。  同店を運営するエムアイエスの三原淳社長は「コインランドリーは、できれば行きたくない空間のはず。せめて居心地を良くして、洗い上がりまでの時間を有効に使ってほしい」と話している。
出店ペース加速中
 コインランドリーの出店ペースが郊外型の大型店を中心に加速している。厚生労働省によると、平成7年度に9206軒だった全国のコインランドリー施設数は、昨年度は1万3746軒と、ここ10年間で5割ほど増えた。  「ガラス張りで清潔なイメージの店が増え、家の延長のような感覚で主婦が安心して使えるようになった」と話すのは花王生活者研究センターの加藤玲子さん。同センターが行った主婦アンケートでは、洗濯は家でやり、コインランドリーで乾燥機を使う人も多かったという。加藤さんは「景観上の取り決めで、ベランダに大きな洗濯物を干せないマンションもある。洗濯物を干すための環境は厳しくなっているようだ」と指摘している。



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