産経Webへ戻る
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | 産経Web
第二の人生、どう生きる?
花盛り“定年番組” ターゲットは団塊世代
  東京朝刊 by 松本明子
来年から本格化する、約700万人といわれる団塊の世代の大量定年退職。テレビ各局でも、こうした第2の人生に向かう人たちの物語にスポットを当てたドキュメンタリーやドラマが増える傾向にある。各局の“定年番組”を探ってみた。

NHK「飛び出せ!定年」

3日からスタートしたNHKの新番組はタイトルもずばり、「飛び出せ!定年」(火曜後10・30)。「夫婦」をキーワードに、定年後の長い人生をあなたはどのように過ごしたいですか?と問いかけ、答える番組だ。

「ノウハウ番組では決してありません。心がけていることは夫婦仲を描き、夫婦の物語として番組を成立させること。定年後に見えてくる夫婦の機微、絆(きずな)。ごりごりしたドキュメンタリーではなく、軽いタッチで何かを始めようとしている人たちを紹介していきたい」

プロデューサーの藤波重成はこう話す。

藤波が「着眼し、意識した」という同系統の番組にテレビ朝日系「人生の楽園」(土曜後6・0)があるが、「飛び出せ−」ではスタッフが各企業やNPO法人などに足を運び、候補者から毎週2組の夫婦に登場してもらう。藤波は「福利厚生が手厚い企業では、選択退職など50歳から人生プランを提示している。そういうところを窓口にご夫婦を探しています」と話す。17日放送分では、ピエロの格好で患者を元気づけるケアリングクラウンの活動を始めた夫婦らを紹介。これまでに家具職人を目指す、そば店を開業、釣船の船長になった人などが登場している。

また、ドラマの世界でも団塊世代を意識した内容が多くなっている。

20日スタートのテレビ朝日系「家族」(金曜後9・0)は竹野内豊と渡哲也の初共演作。渡が演じる佐伯晋一郎は定年を目前にリストラされ、退職を余儀なくされた男。一方の竹野内演じる上川亮平は、外資系企業のリストラ担当だった。プロデューサーの中込卓也は「昨年のドラマ『熟年離婚』では渡さんが妻から三くだり半を突きつけられて話題になりましたが、今度は竹野内さんが同じ立場に。世代を超えた不思議な友情物語にもなっています」と話す。

NHK「魂萌え!」

NHKの「魂萌え!」(21日スタート、土曜後9・0)も話題作だ。55歳の専業主婦が夫の急死をきっかけに、亡夫の愛人問題や遺産相続問題に直面する。妻の立場から第2の人生を見つめ直す桐野夏生のベストセラー小説のドラマ化である。個性派女優の高畑淳子が連続ドラマ初主演しており、プロデューサーの岩谷可奈子は「長年連れ添ってきた夫婦、大人になった子供たちの間にも、心に本音をためこみながら関係が続いていっているものなのではないでしょうか。言葉と本音の食い違いがこのドラマの醍醐(だいご)味です」と話している。



産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.

ここは記事のページです