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最新アルバム「ラビリンス」
スティング、400年前のリュート作品でチャート1位に 
  産経Web by 蔭山実/ロンドン
英国のミュージシャン、スティングが16世紀末から17世紀初頭にリュートと呼ばれる弦楽器の奏者として知られたジョン・ダウランド(1563−1626)の作品をカバーした最新アルバム「ラビリンス」が16日、リリースから1週間で英クラシックチャートの1位に躍り出た。

元ビートルズのポール・マッカートニーも最近はクラシックに凝っており、英国のロックシーンはちょっとしたクラシックブームのようだ。スティングはBBCテレビに「ポップアーティストの仕事は音楽家として新境地を開くことだと思っている。それには音楽の種類は関係ない」と最新作への意気込みを語った。

ダウランドはアイルランドの出身といわれ、フランスやイタリアに旅をし、1597年ごろからリュートための歌曲を数多く作曲した。当時のイングランドの国王、ジェームズ1世もお気に入りの音楽家だったという。

イングランドはチューダー朝からスチュアート朝に入り、多くの有能な音楽家を輩出した時代ともいわれる。ダウランドもその1人だったが、イタリアなどでの新しい音楽の要素は取り入れながらも古風で憂愁に満ちた作品が特徴といわれる。

スティングは「自分にはポップスに思える。メロディーは美しく、歌詞もすばらしい。伴奏も見事だ」とダウニングを絶賛。ボスニア出身のリュート奏者、エディン・カラマゾフとの競演でオリジナルにできる限り忠実に作品を再現した。

スティングはロックバンド、ポリスの元ボーカルとして知られる一方、近年はジャズ界でも活躍し、米国ではジャズFMで人気のアーティストともなった。マッカートニーにならう格好になったとはいえ、今度はクラシックへの挑戦で多彩な才能を感じさせている。



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