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新歌舞伎「元禄忠臣蔵」
忠臣蔵盛り立てる 中村信二郎、片岡愛之助 
  東京朝刊 by 生田誠
国立劇場(東京・隼町)開場40周年記念公演として、10〜12月の通し上演となる新歌舞伎「元禄忠臣蔵」(真山青果作)。大石内蔵助を中村吉右衛門、坂田藤十郎、松本幸四郎の3人が演じるのが話題だが、脇を固める役者も多彩な顔ぶれだ。10月は片岡源五右衛門、12月には磯貝十郎左衛門を演じる中村信二郎、11月に大石主税(ちから)、羽倉斎宮(いつき)の2役に挑む片岡愛之助に聞いた。

中村信二郎

10月上演の名場面、淺野内匠頭(中村梅玉)が切腹する第2幕「田村右京太夫屋敷」で、重要な役割を果たすのが源五右衛門。内匠頭と同年配の寵臣でただ独り、主君の最期に立ち会う。せりふはなく、平伏してむせび泣くばかりの役だ。

初役となる信二郎は「何もしないところが難しい。(主君切腹という)あの場面があるから緊張感が生まれる。『この人のために…』という熱い思いを、家臣一同が持つことができるかどうか。第1部を見て、2、3部で確かめてもらいたい」。12月の十郎左衛門も寵臣で、一昨年に歌舞伎座で演じ「もう1回やりたかった役」という。

薫陶を受けた演出家、真山美保(青果の娘)が今春、亡くなった。「美保先生に自宅で作品のことを説明していただいた。けいこは30分くらいで、話が4時間もあったことを覚えている」。思い出をしのぶ舞台でもある。

片岡愛之助

一方、11月は、内蔵助役の藤十郎をはじめ、片岡我當、片岡秀太郎、中村翫雀ら上方歌舞伎の役者がそろう。若手の愛之助には、内蔵助の長男、主税とともに、内蔵助に意見を述べる国学者、斎宮の2役が回ってきた。

「主税は14歳の少年だが、(青果作品では)大人の役として書かれている。斎宮は若さゆえに意見をしてしまう役で、熱血漢は大好き。役作りは大変そうだが、どちらも楽しみ」と愛之助。

意外なことに、藤十郎とは同じ舞台できっちりと芝居をした記憶がないという。今回の共演は愛之助の役者人生の大きな糧となるはずだ。



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記事関連情報
「元禄忠臣蔵」
10月は27日まで。11・12月は3〜26日。(電)0570・07・9900。