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時代に取り残された男女描く
「海猫街」桟敷童子・東憲司に聞く  
  東京朝刊 by 生田誠
劇作家、演出家の東憲司が率いる劇団桟敷童子(さじきどうじ)が27日から、東京・新大橋のベニサンピットで、新作「海猫街」の公演を行う。「博多湾岸台風小僧」「風来坊雷神屋敷」などでユニークな舞台を作り上げてきた東が、日露戦争直後の港町を舞台に、近代化を急ぐ国家に取り残されていった男と女を描いた新作だ。

劇作家・演出家の東憲司氏

福岡の炭坑町で生まれた東は「子供のころ、福岡の東郷神社の境内で遊んだ思い出があり、日露戦争の時代に郷愁のようなものがあった。日露戦争には勝ったが、その後は間違った道に進んだのかもしれない。その過程で取り残され、さびれた田舎やそこに住む人々を描きたかった」と話す。

物語は、海賊の末裔(まつえい)といわれる嶽崎部(たけざきぶ)の人々が暮らす「海猫街」に、鯨で財を成した会社の一団が訪れる。目的は政府の命令による軍港の視察だったが、実は別の狙いがあり、彼らは海底の様子を調べると称して、村でもさげすまれていた景浦部(かげうらべ)の海女たちに近づいていく。

戦争、鯨、海女、海賊…。日本人にゆかりの深いテーマをつなぎ合わせ、福岡の方言も取り入れながら、独特の世界を作り上げた。「作品を書くときはいろんな場所の資料館などを訪ね、多くの資料にあたる。今回も40、50冊の本を読み、構想を膨らませた」と話している。11月12日まで。問い合わせは(電)03・3375・8288。



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