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大口顧客の囲い込み必至
宅配業界“冷戦”激化 郵政公社「クール便」参入 
  東京朝刊 by 内田博文
日本郵政公社が24日、「クール便」と呼ぶ冷凍宅配便サービスへの参入を正式発表し、本格的な宅配業界との“冷戦”が始まった。これまで市場を握っていた宅配便各社は、「競争環境が一段と厳しくなる」と警戒。郵政公社の割安サービス攻勢に難色を示している。


年間約1億3700万個の「クール宅急便」を扱う業界最大手のヤマト運輸は、「ライバルが増えることで競争環境は間違いなく厳しくなる」と反発。日本通運も「既存契約を切り崩される可能性がある」と懸念を隠さない。

冷凍輸送と、0度から零下5度の冷蔵(チルド)輸送をあわせたクール便市場は、ネットの普及などに伴う通信販売市場の拡大、中元・歳暮をはじめとする贈答品への生鮮品、産直品などの普及によって年々拡大。ヤマト運輸は過去3年間、毎年6%程度伸び、佐川急便でも2ケタ近い増加が続く“成長市場”だ。

郵政公社も平成8年にサービスを始めた冷蔵宅配便「チルドゆうパック」は18年3月期実績で1918万個。年々取扱個数を伸ばし、「郵政公社が冷凍分野に乗り出せば、乗り換えを検討する業者が出る可能性がある」(物流関係者)との指摘もある。

各社がこれほどの懸念を示す要因のひとつは、郵政公社のコスト競争力だ。

ヤマト、日通は重量5キロまでの荷物の場合、クール便は通常の配送料にプラス210円がかかる。これに対し、郵政公社の新サービスは4キロ以下は通常のゆうパック料金にプラス180円ですむ。「幹線輸送を外部委託してコスト競争力のある価格設定にした」(郵政公社)と説明する。

郵政公社よりも安いのは、5キロまでプラス160円の佐川急便の「飛脚クール便」ぐらいだ。

宅配便各社ではIT(情報技術)を使い、電子メールやネットで配達日時通知や、不在時の再配達を行うなど顧客の囲い込みにつながるサービス強化を進めている。ただ、今後は「さらに大口顧客に新たな割引料金を提示するなど、追加施策が必要となる可能性もある」との見方もあり、郵政公社と民間の宅配便競争は新たなラウンドを迎えそうだ。



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