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音楽の力で“等身大”表現
シンガーソングライター・花乃ルサカ 
  東京朝刊 by 文・松本明子、写真・飯田英男
東京都内の小さなライブハウス。ふだんは音楽とは縁遠そうな人たちの姿も目立つ。どちらかというと、年齢層は高い。夫婦連れも見られる。ちょっと恥ずかし気にリズムを取り、体を揺らす。ステージの彼女たちと客席が一体となる瞬間だ。

女性デュオ「花乃ルサカ」の田中花乃(左)と清水瑠沙香(撮影・飯田英男)

「月2、3回のライブを続けています。等身大で感じることを表現していきたい」

花乃ルサカは、ピアノの田中花乃とボーカルの清水瑠沙香によるシンガーソングライター・ユニット。2人の経歴はユニークだ。清水は小6〜高3まで商社勤務の父の関係でポーランドで過ごした。帰国後慶大から東大を経て、卒業後外資系ITコンサルタントとしての激務に明け暮れる。

「クライアントの人たちとの会話はそれなりに充実していましたが、成果主義のルールの中で味わう達成感や孤独感…時間や生活の大切さに気づきました」。東大では教養学部で地域文化の研究に取り組み、学内初のアカペラサークル設立に奔走した。「常に前向き。楽観的でストレスがたまらないタイプ」という。

地道なライブ活動によって口コミで評判が広がっている

田中は3歳からピアノを始め、ジャズアレンジャーの父の影響で自然と音楽に親しんだ。高1のとき、ヤマハのコンテストでグランプリを受賞。作詞作曲を本格的にスタートさせ、日大芸術学部に進学。これまでに小泉今日子、上戸彩ら多くのアーティストに楽曲を提供している。

「当時は完璧(かんぺき)な仕事ができないという心の葛藤(かっとう)がありました。パフォーマーとしてやりたいという思いも持っていた。私たちにしか表現できないことはきっとあると思います」。性格は「精神的に落ち込んだり、波があるタイプ」と自己分析する。

5月に出した1stマキシシングル「more than words」は都会的なメロディー、絵が見えるような歌詞が印象的。すべて共作である。通常の販売ルートに乗らないインディーズ・レーベルだが、地道なライブ活動が口コミで評判が広がり、反応はいい。

「メジャーデビューももちろん夢ですが、それだけではなく、長い時間をかけて人生も磨きながら大人へ向けての歌を作っていきたい」

限りなく“音楽の力”を信じている彼女たちがいた。

32歳で子供(清水)
子供より猫が好き(田中)
Q (清水に)ポーランド生活を少し披露してください
「オペラ歌手になりたくて頑張ったのですが…向こうはオペラハウスを見に行くのもとにかく安い。日本は高すぎますよね。英語はOKですが、ポーランド語はサバイバル用語なら(笑)」

Q お互いのことを語ってください
「花乃は凝り性だよね。いつだか毎日のようにペペロンチーノを食べていた。私は浅く、広く。最終的には『まっいっか』」(清水)

「整理整頓してくれる」(田中)=それだけ?」と清水がツッコむ

Q 結婚観を
「32歳で子供を持っていたい」(清水)

「子供はうーん!? ネコが好き」(田中)=花乃は偏愛だよね」と清水がまたまたツッコむ

Q 好きなもの
「グミ、ユーカリの香り、カフェめぐり」(田中)

「雷の音、行く前のチケット、コーンフレーク」(清水)

Q ユニット名の由来は
「最初はサマセット・モームの“月と6ペンス”。リアリティーと理想の狭間が私たちの音楽のテーマに合うかな、と。でも、いつのまにかお互いの名前を取っただけに(笑)」(2人)



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記事関連情報
【プロフィル】花乃ルサカ
はなの・るさか 女性シンガー・ソングライターの2人組。田中花乃(たなか・はなの)は昭和53年8月1日、東京都出身。O型。3歳下の弟がいる。清水瑠沙香(しみず・るさか)は53年12月9日、神奈川県出身。O型。1人娘。平成15年1月、共通の友人を通して知り合い、互いに「キャピキャピしていなくて落ち着いている」ところが気に入り、6月にユニット結成。デビュー作品のほかに「砂の花」「サヨナラが聞こえる」「チェイス」などがあり、20代の女性からも支持を得ている。ライブのアンケートからは「初めて聴いたときは涙がこぼれた。花乃ルサカの曲を聴くと、心が豊かになる」「素直で前向きの歌詞」「華麗」などの声が聞かれる。