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テーマは「脱スガシカオ」
スガシカオ 新作「PARADE」 
  東京朝刊 by 安田幸弘
人気シンガー・ソングライターのスガシカオが、2年ぶりの新アルバム「PARADE」を出した。テーマが重かった前作とは対照的に、風通しのいい曲を並べた「脱シカオ」的な作品だ。

来年はデビュー10周年。「(デビュー時に)そんな受ける音楽だと思ってなかったし、10年も続けられる音楽だと思ってなかった」と振り返るスガシカオ(撮影:寺河内美奈)

前作「TIME」は、暴力や孤独感を強調した暗めの内容だった。「ツアーで回っていると常にそのメッセージを伝え続けなきゃいけないから、けっこう疲れちゃって」

その反動が今作の出発点。「エネルギッシュで聴いた人に活力を与えられるようなアルバムにしようと思った」という。サウンド面でも「難しいことをやらずにシンプルさを大事にした」ことによって、歌詞がまっすぐ伝わり、乾いたハスキーボイスがより映える仕上がりとなった。

一方で、これまで通り貫いた面もある。「きれいごとを書かない。無責任に夢は追わない」という心がけだ。

「Progress」は、その信念が伝わる1曲。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の主題歌で、応援ソングだが聴き手を大げさに鼓舞せず、自分の失敗や甘酸っぱい挫折を盛り込んだ歌詞が新鮮に響く。

「無根拠に明日いいことがあるように歌ったり、それを希望という言葉に置き換えるのは日本のポップスのすごく悪い所。応援するにしても、もっとリアルに『あと一歩だけ、前に進もう』っていうメッセージを発したかったんですね」

ちなみに「プロフェッショナルとは?」との質問に「空気みたいに仕事に接すること。空気を吸うことや吐くことは努力しないじゃないですか。生きるのと同じように音楽を作ることができればいいなと思います」。

今年はKAT−TUNのデビュー曲「Real Face」の作詞でも注目を集めた。ジャンルが違うアーティストへ詞を提供することで、今回のアルバム制作のように自分のイメージチェンジを意識したという。

「かなり『脱スガシカオ』しないといかんかなあっていう思いが直感的にあったので、これはいい機会だと」。トライし続けることが、第一線に長くいられる秘訣(ひけつ)なのかもしれない。

来月19日から宇都宮を皮切りに全国ツアーに出る。「(曲作りなど)ひとりで仕事をしている方が向いてますけど、でもやっぱりライブは楽しいっすよ。お客さんが目の前にいると歌も全然違ってくるし、歌い手冥利に尽きますね」



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