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店内調理の商品に力点 
コンビニがファストフードを強化 
  東京朝刊 by 塩原永久
コンビニエンスストアチェーンが、ファストフード販売に力を入れている。店内の調理器で揚げたフライドチキンなどの「できたて感」が好評で、売り上げが順調に伸びているためだ。店内に弁当を作る調理設備を設けた店も相次いで登場した。ファストフード店や弁当店の“お株”を奪うようなコンビニの動きが今後、一段と加速しそうな勢いだ。

店内調理型の食品は利益率の高さが魅力。ファミリーマートはフライドチキンを中心に食品ブランドを立ち上げた=東京都江東区の東京ビッグサイト(撮影・塩原永久)

ファミリーマートは19日、食品ブランド「できたてファミマキッチン」を10月から展開すると発表した。カウンターに置くフライヤー(揚げ物器)で調理するフライドチキンを中心に、おでんや中華まんを売り出し、今年度下期に前年比30%増を目指すという。

フライドチキンは5年前に発売したが、販売数が毎年3割ペースで伸びている「優等生」。新ブランドでは、新たに骨抜きチキンを売り出すことで子供や高齢者、若い女性にも市場を広げる狙いだ。加藤利夫常務は「ファストフードのファミリーマートと呼ばれるようになりたい」と意気込む。

ローソンも店内調理型の食品を拡充させており、商品を並べる保温ケースの容量を、従来の2倍にしたものに切り替えている。

「お弁当屋」を店内に取り込んだのはスリーエフだ。弁当を顧客の好みに応じて盛り合わせるコーナー「セレクトランチ」を3店に用意。ビジネス街のオフィス需要が好調で、今後も展開店舗数を拡大する方針だ。

コンビニ各社が店内調理に力を入れる背景には、「コンビニ食品は工場で画一的に作られ、温かみがないイメージがある」(大手チェーン)ためだ。電子レンジで温めたおにぎりは、「店舗で作ったおにぎりに遠く及ばない」(スリーエフ)との声もあがる。食品の安全性に対する消費者の関心の高まりも無視できない。

「ホットスパー」を展開するホットスパーコンビニエンスネットワークスは9月初め、店内の顧客から弁当の調理場が見える「ガラス張り」の店を筑波大学(茨城県つくば市)構内に出した。同社は「食べるものが作られる様子がみえて安心だと、学生から評価してもらっている」と話す。新規出店でも同様の店舗形態を積極的に取り入れる方針という。

顧客ニーズに対応しようと、各社は女性向けや高齢者向けなどの新たな店舗形態も増やしている。今後は新型店舗の開発で、店内調理の設備がキーワードのひとつに挙がりそうだ。



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