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東京ゲームショウ
茶の間にネット三つ巴に、マイクロソフトの逆襲 
  東京朝刊 by 田端素央
マイクロソフト(MS)日本法人は20日、家庭用ゲーム機「Xbox360」の国内戦略を発表した。年末までにソフト数を現在の69本から110本に増強。さらに、人気ソフトとのセット販売なども仕掛けて巻き返しを図る。新型据え置き機は22日から千葉・幕張メッセで開幕する「東京ゲームショウ2006」の最大の目玉。ソニーグループが11月に、任天堂が12月に相次いで発売し、年末商戦がMSを合わせた三つどもえの激戦になるのは必至だ。

低迷打開
「年末に販売する中でもっともお得。(任天堂の)Wii(ウィー)よりも安くなる」−。MSの発表会では、日本法人の泉水敬Xbox事業本部長から“敵”を意識した発言が飛び出した。

Xbox360は昨年末の登場以来、北米市場で好調に推移したものの日本市場で低迷。テコ入れ策として11月2日からハードディスクを省いた低価格機「コアシステム」(2万9800円)を投入する。

さらに、12月7日にはMS独占発売となる注目のソフト「ブルードラゴン」(7140円)が登場。「次世代のドラクエ」ともいえる注目のロールプレイングゲームで「キラーコンテンツになる」(泉水氏)と自信を見せる。同ソフトとコアシステムのセットも2万9800円だ。

年初には新基本ソフト「ウインドウズ・ビスタ」が発売。ビスタ搭載のパソコンとインターネット経由での対戦も可能になり、いよいよMSの逆襲が始まる。

迎撃2社
とはいえ、現行の据え置き型ゲーム機ではソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が市場の7割を占める。そのSCEは11月に「プレイステーション(PS)3」を発売。映像処理能力に優れた半導体を採用し、ゲーム画面は実写のようだ。次世代DVD「ブルーレイディスク(BD)」にも対応。ただ高機能を前面に押し出す分、価格はゲーム機としては高めだ。

任天堂のWiiはリモコンを片手で持つユニークな操作が売り物。大ヒットした携帯機「ニンテンドーDS」と同様、「年齢や性別、経験を問わず誰でも楽しめる」(岩田聡社長)とアピールする。市場では「最初は低価格のWiiがリードし、PS3が追いかける展開になるのでは」(アナリスト)と予想する向きが多い。

似てる?
「パソコンと連動」「高機能」「手軽さ」−。3社の新型機は価格帯や機能などはまったく異なる商品だが、目指す方向性は重なっている。インターネット接続とお茶の間への進出だ。「家族全員にゲーム機に触ってもらう仕掛け」(任天堂)であるため、「徐々に特徴が似通ってきた」(業界関係者)との声もある。

例えば、Wiiにある懐かしのゲームをネットからダウンロードできる機能は、Xbox360ですでに展開中。Xbox360の付属品として発売される次世代DVD「HD DVD」の再生機(2万790円)は、PS3搭載のBDを意識したものだ。

縮小傾向だった国内ゲーム市場は昨年、5年ぶりに増加(市場規模は約5000億円)に転じた。各社は「3機種のユーザー層は違っており、『すみ分け』は可能だ」と強調。だが、すみ分けが進まなければ、ゲーム市場の拡大は容易に望めなくなる。



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