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「ユニークなSF時代劇。楽しめました」
SF時代劇「大帝の剣」長谷川京子に聞く
  東京朝刊 by 岡田敏一
あす7日から公開となる「大帝の剣」(堤幸彦監督)は、「餓狼伝」や「陰陽師」などで知られるベストセラー作家、夢枕獏のSF伝奇時代劇の映画化作品だ。濃い作風、濃いキャラクターたちにまじって姫の役で奮闘する長谷川京子は「現場で新しいアイデアがひらめく堤監督の手腕で、ユニークなSF時代劇に仕上がりました」とアピールする。

映画「大帝の剣」

舞台は江戸時代。身長2メートルの巨体に大剣を背負う男、万源九郎(阿部寛)が主人公。彼が持つ大剣は、持ち主に想像を絶する力を与える地球外金属オリハルコンで作られた“三種の神器”のひとつだ。

源九郎は亡き祖父の遺志を継ぎ、残りの2つの神器を探して旅を続けている。その道中、豊臣家の血を引いているため徳川幕府から命を狙われている姫、舞(長谷川)を助け、彼女の護衛を務める忍者、佐助(宮藤官九郎)と3人で旅をすることになる。

しかし徳川側は舞の命だけでなく三種の神器も狙っていた。そのうえオリハルコンを狙って宇宙人まで地球に来襲。三種の神器をめぐり激しい戦いが…。

時代劇に仮面ライダー風の特撮SFヒーローのテイストを持ち込んだ破天荒な作風が痛快。素朴な時代劇のセットと、最新の特殊撮影技術を駆使して描かれた宇宙船が同居する。その様子は、時系列など軽やかに飛びこえてしまう原作の世界観をうまく再現している。

長谷川は「脚本を読んで、娯楽性が高く、面白い作品になりそうとの予感がありました。テレビゲームの映画版のような感じも受けて、一体どう撮るのかということも興味がありましたね」と振り返る。

堤監督は、従来のテレビドラマとは質感が異なるシャープな映像感覚で高く評価されたテレビドラマ「ケイゾク」(99年)で頭角を現し、昨年公開の「明日の記憶」(渡辺謙主演)で映画監督としても確固たる地位を築きつつある新鋭。そんな堤監督のセンスが存分に発揮されている。

「共演者も個性的だったし、ほんとうに面白いSF時代劇になりました」と長谷川。

漫画の登場人物のような阿部、コメディアンっぽい宮藤、緑色の怪物と化した竹内力など、キャラの濃い面々のなかでの役づくりは大変だったようだが「現場の空気を読んで、自分の感情や感覚を活かしながら、必要とされているものを出そうとがんばりました」。

撮影を楽しめた、と笑う。「阿部さんとは一昨年のテレビドラマ『ドラゴン桜』で共演したんですが『また一緒になっちゃったねー』って感じで。宮藤さんも楽しい方でしたしね」。早くも、次の作品に意欲がわいているそうだ。

「自分自身に変化が起こっている気がします。良い人の役は限りがあるので、悪役に挑みたいですね。我慢する役よりも弾けたい!」

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