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ドヌーヴの嫌味な女ぶりに見ごたえ
「輝ける女たち」フランスの粋ちりばめ
  東京朝刊 by 岡田敏一
南仏のキャバレーを舞台に家族の姿を描く仏映画「輝ける女たち」(公開中)は小粋な恋愛コメディーだ。大女優カトリーヌ・ドヌーヴの存在感が光る。ティエリー・クリファ監督は「テーマは意思の疎通、家族の秘密。そして現代を象徴する新旧の世代の考え方の違いなどを対比し、対照的に描いているんだ」と話した。

仏映画「輝ける女たち」
仏映画「輝ける女たち」

ニースにあるキャバレー「青いオウム」の経営者が突然亡くなる。葬儀のあと、ささいな誤解から疎遠になっていた家族が集まり、キャバレーの相続権を協議することになる。

一方、キャバレーで人気の歌姫レア(エマニュエル・ベアール)と、かつての人気手品師ニッキー(ジェラール・ランヴァン)の元妻アリス(ドヌーヴ)、それにニッキーの幼なじみシモーヌ(ミュウミュウ)らも、経営者の死を契機に、ひっそり胸にしまっていた秘密に心を痛めながら人生の難題に取り組み、自分らしさを回復していく…。

クリストファー・トンプソンと共同で脚本も担当したクリファ監督は、「複雑に感じた? そうでもないと思うけど。基本は人間関係。血と心、そして友情の移ろいなどさまざまなものが含まれるんだけどね」。

過去の恋愛関係なども露になるが、ハリウッド映画のように修羅場になったりしないのがいかにもフランス。ドヌーヴの嫌味な女ぶりが際立っている。

エラ・フィッツジェラルドの渋いジャズ・ナンバーから、クイーンやベット・ミドラーのヒット曲まで、1960年代から80年代の名曲をふんだんに使ったミュージカル風の展開も小粋だ。

クリファ監督は、日本文化が好きなのだそうで、この映画でも役立てたと明かしてくれた。

「キャバレーの踊り子たちがおかっぱ頭みたいなかつらと派手な化粧をしてるだろ? あれは日本のマンガで見つけた登場人物から着想を得たんだ。日本文化には大きな影響を受けているよ。人生で最大の衝撃は小津安二郎監督の作品だしね」

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