ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア−−。豪華なハリウッドスターが再集結した人気シリーズの最新作「オーシャンズ13」が10日、日本で公開されるのに先がけて史上最強の犯罪チーム“オーシャンズ”のボス、ダニー・オーシャンを演じる俳優、ジョージ・クルーニーと、プロデューサーのジェリー・ワイントロープが宣伝のため来日。先月31日、東京都内のホテルで記者会見した。
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会場ではハリウッドの“チョイワル”との呼び声もあがった俳優、ジョージ・クルーニー |
真っ白なシャツに胸元をのぞかせ、濃紺のシングルスーツに身を包んだジョージ・クルーニー。
「こんにちは。ブラッド・ピットです。実際は見た目のとおり、ちょっと老けてるんだ」と第一声。オーシャンズのダニーそのもの。
着席するまでに先に登壇したワイントロープを気遣いながら、報道陣には手を振るなど余裕もみせた。
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(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc - U.S., Canada, Bahamas & Bermuda. (C)2007 Village Roadshow Films (BVI) Limited - All Other Territories |
奇跡の顔ぶれ、ともいわれるキャスティングで1作目から話題をさらったシリーズだが、新作では新たに大物アル・パチーノとエレン・バーキンが参加。オーシャンズの息の合った犯罪劇を敵役としてもり立てる
今回のターゲットはラスベガスの超高級5ツ星ホテルのオーナー、ウィリー・バンク(アル・パチーノ)だ。バンクは、オーシャンズのメンバー、ルーベン(エリオット・グールド)を裏切り、瀕死に追い込んでいた。そこでオーシャンズは、ルーベンの復讐のため、バンクのあり金を巻き上げ、成功者としてのバンクの誇りをもズタズタにする計画を練る。
「見どころは、女性をくどくマット・デイモンと、僕とブラッド・ピットのラブシーンだよ」
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クルーニー(左)とプロデューサーのジェリー・ワイントロープ |
“冗談路線”を変えないクルーニーに対してワイントロープは誠実に答える。(※デイモンのロマンスは本当)
「アル・パチーノの演技は素晴らしい。笑いあり、友情あり。コメディーとして存分に楽しんで観てもらいたい」
会見には吉本興業の芸人ダイノジが出席。クルーニーに質問した。
「ダンディの代名詞のジョージ・クルーニーさんですが、僕たちのこの衣装はいかがでしょうか?」
ダイノジのユニホームといえば、白地に大きなトラが刺繍された何ともいえないセンスのサマーセーターだ。
クルーニー、微動だもせず「悪くはないね。ちょっと後ろを向いてみて。(無地の背中を見て)後ろにもう少し工夫があったほうがいい」。日本のお笑いにも見事に溶け込んでみせた。会場は大爆笑。
クルーニーはさらに“舌好調”だ。
「アル・パチーノは私から多くを学んだはず。かなり指導したよ。でも、偉大な俳優だ。仕事しやすかった。マットやブラッドがなぜ僕の指示に従うかって? 僕が彼らの恥ずかしい写真を持ち歩いているから逆らえないんだよ」
そんな柔らかい顔つきを引き締める一幕もあった。クルーニーは昨年、国連でアフリカ北部スーダンでの虐殺について和平を呼びかけるなど近年、社会問題に取り組んでいる。
「(ジャーナリストの父ニック・クルーニーと訪れたスーダンの首都)ダルフールから昨年5月に戻って9月にオーシャンズの撮影に入った。ブラッドもマッドもドン・チードルもあの地域に行ったことがあり撮影現場でも議論した」
さて、気が早いが4作目が気になるが、「オーシャンズ14の計画はありません。作品を観れば分かりますが、建造物にコストがかかりすぎています」とワイントロープは続編の可能性を否定した。
クルーニーも「ダニーというキャラクターは僕が(俳優を志してから)25年もかけて築き上げたんだ。その間に飲んだお酒、覚えたギャンブル、趣味がすべて生かされたよ」とダニー・オーシャンという役を総括する発言。
新作は集大成ということか。とはいえ湿っぽさや重責を感じさせないのが、“オーシャンズ”ならではの粋さなのかもしれない。