映画「グアンタナモ、僕達が見た真実」
非人道的行為、再現で訴え
東京朝刊
映画「グアンタナモ、僕達が見た真実」は、テロリストとみなされてキューバにある米軍グアンタナモ基地に拘束されたパキスタン系英国人が、基地での非人道的行為を訴える。再現ドラマの手法で事実に肉薄しようとする試みについて、共同監督のマット・ホワイトクロスは「変わったスタイルだけど、拘束された3人の視点で事実を効果的に描けた」と胸を張る。
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マット・ホワイトクロス監督 |
2001年、結婚のためパキスタンに向かったアシフ。友人3人とともに、隣国アフガニスタンの様子を見ようと国境を越えるが、戦闘に巻き込まれたうえ、国際テロリストのぬれぎぬをきせられ、同基地に約2年間拘束された…。
彼らのことを新聞で知った共同監督のマイケル・ウィンターボトムが、旧知のホワイトクロスに呼びかけ、製作した。
映画では、手足を縛られ四つんばいのような状態で長時間耐えるといった拷問のシーンなどが続く。「彼らに徹底的にインタビューして事実を確認しながら作った。ごく普通の若者がこんな異常な事件に巻き込まれるとは、にわかに信じ難かった」とホワイトクロス。
米国では中枢同時テロ以降、「テロとの戦い」を掲げた国家権力に一市民が翻弄(ほんろう)される状況が生まれているという。ホワイトクロスはいう。「この映画を見てメディアによる世論操作についてよく考えてみてほしい」。シャンテシネ(東京・日比谷)で公開中。
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