旧ソ連に機密漏洩したFBI職員、ハンセン服役囚描く
クリス・クーパーが魅せる スパイ映画「ブリーチ」公開
by USA TODAY
【ワシントン=USA TODAY(マイク・スナイダー)】6年前の2月18日、旧ソ連に機密情報を売りさばいた容疑で逮捕された連邦捜査局(FBI)職員、ロバート・ハンセン服役囚と同服役囚の容疑を同僚として追及したエリック・オニール氏を描いたスリラー「ブリーチ」が16日、全米公開される。
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「ブリーチ」のクリス・クーパー(手前)とライアン・フィリップ |
ハンセン服役囚は「アダプテーション」でオスカーを受賞したクリス・クーパー、オニール氏は「父親たちの星条旗」などで知られるライアン・フィリップが演じた。「ニュースの天才」で雑誌記者の捏造(ねつぞう)事件を描いたビリー・レイ監督が脚本兼監督。
妻との性生活をビデオに収める特異な嗜好(しこう)など、さまざまな顔を持つハンセン服役囚。ストリップダンサーとの交際、女優キャサリン・ゼタ・ジョーンズに熱を上げていたことなど、映画では触れられない事実もいくつかあるが、「ハンセン服役囚の複雑な人間性は十分に伝わるはず」とクーパー。レイ監督は「同じシーンでもこちらの注文どおりに演じ分けてくれた。まるでジュークボックスのようだった」と、演技派のクーパーに感謝しきりだ。
フィリップは、現在ワシントンで弁護士をしているオニール氏に直接話を聞き役作りに励んだ。「オニール氏の結婚指輪、毎日使っていたカバンを実際に使用したので役に入り込みやすかった」という。
オニール氏は映画のコンサルタントも務め、参考資料の少ないハンセン服役囚を演じたクーパーにもアドバイス。「外見、独特のしかめっ面、歩き方、すべてが本物そっくりで寒気がした」とオニール氏を驚かせた。
現在62歳のハンセン服役囚は終身刑でコロラド州の連邦刑務所にいる。ソ連国家保安員会(KGB)職員などに6000ページ近くの文書を提供し、計140万ドルの現金やダイヤモンドの報酬を得ていた。
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