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「幸せのちから」 親子のアメリカンドリーム
全財産21ドルから億万長者へ
1月26日(金) 東京朝刊 by 岡田敏一
全財産21ドル(約2500円)の子連れのホームレスから億万長者となった実在の人物、クリス・ガードナーの波乱の半生を描く「幸せのちから」(ガブリエレ・ムッチーノ監督)が27日から、公開される。ハリウッドの人気スター、ウィル・スミスが実の息子とシリアスな演技に挑み、23日発表された米アカデミー賞主演男優賞候補にノミネートされた。

映画「幸せのちから」
映画「幸せのちから」

1981年のサンフランシスコ。医療機器のセールスマン、クリス(スミス)は、全財産をはたいて新型機器を大量に買い込んだが、価格が高く売れない。家賃も税金も払えぬ窮状に、工場勤めで家計を支えてきた妻のリンダ(タンディ・ニュートン)が家を出る。息子のクリストファー(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)と2人で暮らすが、アパートも追い出され、駐車違反の罰金が払えずホームレスに…。

しかし、ひょんなことから一流証券会社の見習い社員に採用される。半年の見習い期間を経て正社員に採用されるのは20人のうちたった1人。果たしてクリスはこの局面をどう乗り切るのか…。

スミスは、「メン・イン・ブラック」シリーズや「バッド・ボーイズ」シリーズで見せた陽気で軽薄なノリとはまったく違うシリアスな“顔”を見せる。ただ、クリスが人生のがけっ縁から奇跡の大成功を収めた最大の要因は、自分の苦境を隠し通し、スミス本来の芸風に近い陽気で明るいノリを忘れなかったからというギャップが面白い。

イタリアで実績を上げたムッチーノ監督のハリウッド・デビュー作品。製作陣にも名を連ねるスミスのたっての希望で監督を務めることになったという。

「私はホームレスだったが、ホープレス(希望がない状態)ではなかった」。2年前、ニュース番組で半生を紹介された際のクリスの発言で、これが反響を呼んで映画化にまで至った。そんなキメのセリフが盛り込まれていなかったり、物語の起伏があいまいなところはあったりするが、スミスと実の息子とのコンビは呼吸もピッタリで、親子の絆(きずな)を描き出している。

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