全米で興収3億ドルを突破する大ヒットを記録している話題の映画「トランスフォーマー」のマイケル・ベイ監督と出演者のジョシュ・デュアメルが宣伝のため来日、23日午後、東京都内のホテルで記者会見した。
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来日したマイケル・ベイ監督(左)と出演者のジョシュ・デュアメル。「スピルバーグ監督がいつも僕を応援してくれている。彼のサポートには心から感謝している」とデュアメル<<クリックすると画像が大きくなります>> |
日本生まれの変形ロボット玩具が米国で大ヒットしたことから生まれたトランスフォーマー。漫画になったりアニメになったりして、ついにスティーブン・スピルバーグが制作総指揮をつとめて映画に。
会見でベイ監督は「『トランスフォーマー』は日本からきたキャラクターたち。日本の皆さんにはお礼が言いたい」と切り出した。
そもそも「トランスフォーマー」は、1980年に日本の玩具メーカー、タカラ(現:タカラトミー)が発売した変形合体玩具「ダイアクロン」の権利を、83年に米ハズブロー社が獲得。それ以降、人気が衰えていない。
今年35歳を迎えるジョシュ・デュアメルも“トランスフォーマー世代”。
「僕はアイオンハイドが大好き。武器の達人で、あのクールな動きがたまらない」と効果音や身ぶりを交えながら熱く語ってみせた。
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物語は、2003年、火星探査機「ビークル2号」の事故から始まる。やがて未知の惑星からあらゆるテクノロジー機器に姿を変えられる金属生命体が地球に到達。デジカメから携帯、車などに忍び込み、やがてはある目的のために、不気味なロボット状の形へとトランスフォーム(変身)し、人類へ攻撃を仕かける。なぜ地球は攻撃されるのか−。
ベイ監督は「スピルバーグから監督を依頼されたときは『考えておくよ』と言って電話を切ったのですが、実は『あんなオモチャ映画、だれがやるか!』と思っていました。ですが、ハズブロー社のスタジオを訪ね、日本アニメのスチール写真を見たとき『できるかも』に切り替わったのです」と製作の舞台裏を明かす。
さらに「独創性と新しさは魅力ですが、CGに頼りすぎないリアルな撮影が支持されているのでは? 観客にすればリアルかCGかで実感が異なりますからね。さらにユーモアや即興が(メカにはない)人間の物語として楽しめるのでしょう」とヒットの要因を分析してみせた。
すでに公開中の中国、韓国、マレーシアでも大成功をおさめ、製作費1億5000万ドルに対して全世界で7億ドルの収益を見込んでいると息巻く。
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出演者のジョシュ・デュアメルは「トランスフォーマー」のアニメがプリントされたTシャツを着て登場。マイケル・ベイ監督とともに壇上でお披露目した <<クリックすると画像が大きくなります>> |
26歳でモデルデビューし、米国ではドラマでの活躍が目立つデュアメル。作品のなかではトランスフォーマーとの戦いを先導する陸軍大尉に扮する。
映画出演の喜びを「友人からサーフィンの真似をすると縁起がいい、と教わったから、出演が決まったときは机の上でサーフィンをしたよ」と、いすの上に飛び乗り、そのときのようすを再現するほどのはしゃぎぶり。
変身できるとしたら何に? という質問には「40フィートのクルーザー。ゆったり、のんびりとしたキャラクターがいい」。
一方ベイ監督は、「黒のフェラーリ!」。するとデュアメルがすかさず「あなたは、フェラーリを買えるから、そんなことが言えるんだ」とちゃちゃを入れた。
「スタッフの中には日本人もいます。アニメーターの“ケージ君”は、オプティマス・プライムの変身後の顔が太すぎる、修正しろと怒るほど作品に愛着をもっています。スケッチには“ヤマモトさん”が活躍してくれました」と、トランスフォーマーの“祖国”に最後まで敬意を表していた。
日本公開は8月4日から。