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年離れた男女 NYで…
映画「ラストラブ」主演、伊東美咲に聞く
    東京朝刊 by 岡田敏一
ニューヨークと横浜を舞台に、傷心の元ジャズ・サックス演奏家と、娘ほど年の違う堅物の女性が互いに惹かれあい、人生の新たな一歩を踏み出す「ラストラブ」(藤田明二監督、16日公開)。ジャズ演奏家を演じる田村正和の14年ぶりのスクリーン復帰作だが、相手役の伊東美咲は「微妙に移り変わる心の機微を表現するのに苦労しました」などと振り返った。

「難しい役柄でしたが、やりがいがありました」と話す伊東美咲(撮影・岡田敏一)
「難しい役柄でしたが、やりがいがありました」と話す伊東美咲(撮影・岡田敏一)

ニューヨークでジャズ・サックス演奏家として活躍していた阿川明(田村)は、有名になろうと家庭を犠牲にし続けたあげく、妻を病で亡くす。自己嫌悪に陥った阿川はジャズの世界を去って帰国。友人の旅行会社で働きながら一人娘の佐和(森迫永依)と横浜でひっそり暮らしていた。

ある日、ゴミの出し方が悪いと早朝の路上で清掃局員、上原結(伊東)と口論になるが、その後2人はニューヨークで再会する。当初は反発し合った2人だが、父親のように接する阿川に結は次第に心を開き、婚約者に関する悩みなどを相談するように。

婚約者から電話で破談を告げられて自暴自棄になる結を、阿川は有名な老舗ジャズ・バーに連れ出す。そこはかつて阿川が活躍した舞台だった…。

「脚本を読んで、かなり難しい役柄だと思いました。団塊世代との恋愛というシチュエーションがまず難しいし、彼が抱えているトラウマにも役柄上、配慮しなくてはならないし…」といったんは悩んだそうだ。

しかし「ラブストーリーは何度も経験してますけど、この作品はこれまでにない要素を多く含んでいるし、挑戦しがいがある」と感じて出演に踏み切ったという。

最初は暗中模索の状態。「演技の参考にしようと、この作品のような年の離れた男女のラブストーリーのDVDを探したんですが見つからなくて。演技に関しては監督に分からない所をいろいろたずねながらさまざまな試みに挑みました」

最も難しかったのは内面の変化の表現だったという。「出会ったころは『ゴミ親父(おやじ)!』っていう印象。それが徐々に信頼を寄せはじめ、最後は彼に心を開く。そうした心の機微を表現するのが難しかったですね」

田村と藤田監督は人気テレビドラマ「ニューヨーク恋物語」でタッグを組んだ仲。ニューヨークを闊歩(かっぽ)する田村は絵になる。そんな田村と製作陣が伊東をうまく支え、良さを引き出している。「リラックスしたムードの撮影現場で、自然に物語に入り込めました」と伊東。

ブルックリン橋公園やタイムワーナーセンター、イチョウが美しいセントラルパークなど、ニューヨークの風景が作品に彩りを添えている。田村のダンディズム全開の演技はファンにはたまらないだろう。

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