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沢尻エリカ「現場での発見を大切に」
ケータイ小説が映画化「クローズド・ノート」行定勲監督に聞く
    大阪夕刊 by 福本剛
1冊のノートがヒロインの人生を動かしていく映画「クローズド・ノート」。今秋の公開に向けて撮影が進行中だ。原作は雫井脩介のケータイ小説。行定勲監督が沢尻エリカ、竹内結子らを配して撮る話題作だ。京都のロケ現場を訪ね、作品の魅力に迫った。

ロケ現場で演技をチェックする行定勲監督(右)と沢尻エリカ=東宝提供
ロケ現場で演技をチェックする行定勲監督(右)と沢尻エリカ=東宝提供

《引っ越し先で前の住人が忘れたノートを見つけた女子大生の香恵(沢尻)。ある日、画家の石飛(伊勢谷友介)に恋をし、切ない気持ちで「ノート」を開ける。赤裸々につづられた日常や恋…。最後には、生徒に囲まれる伊吹先生(竹内)の写真が。教師を夢見る香恵は、日記の伊吹の人生に添うように日常を歩み始めるのだが…》

4月下旬、京都。夕やみ迫る橋の上を走る人影。「カット」の声とともに、手でカメラの構図を示し、行定が駆け寄る。走ってきた沢尻と言葉を交わすとすぐ、「もう1回」の声が飛び、スタッフらがいそいで立ち位置などを整えた。

「毎日こんな感じだ。“夕景”を撮りたいから、この30分は戦場のようになる」。プロデューサーが、殺気立つ現場を和ますように取材陣に笑いかけた。

映画「クローズド・ノート」の1場面。たたずむ香恵(沢尻エリカ)=東宝提供
映画「クローズド・ノート」の1場面。たたずむ香恵(沢尻エリカ)=東宝提供

「ノート」の真実を知った香恵が、夕暮れの雑踏を走り抜ける場面。台本にはただ「走る香恵。走る。走る。走る」。行定は「必死に走る沢尻エリカなんて、普通は見られない。そんな彼女の、まだ見ぬ意外な面にリアリティーを見ようとした。今も、いい表情をしていた」と満足そう。

沢尻も「家で小説を読む感じで(香恵役に)入れた」と話す。「私も監督もイメージがあるから、(現場に)ポンと入り、互いの発見を大切にしている」。そんな沢尻に対し、行定も「ぼくの予想を超えた『OK』が多い」と目を細める。

京都でも2〜3割を撮影する。「古都の雰囲気が、時間の動かない場で交錯する人々という設定にぴったり」と行定。

竹内、伊勢谷ら豪華共演も話題だが、1人の芝居も多い。「私は1人のほうがやりやすいかな」と沢尻。そして、「どう映っているのか、私自身がすごく楽しみ」と行定に目を向ける。そんな“期待”に対し、行定は「ぼくはいっぱいいっぱいだ」と笑わせ、「何気ない日常の話だが、人との接点が感じられる作品になれば…」と語った。

9月下旬公開予定。

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