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兄弟で歩むスター街道
「フランシスコの2人の息子」ブレノ・シウヴェイラ監督に聞く 
  東京朝刊 by 岡田敏一
ブラジル音楽界を代表する人気兄弟デュオ「ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ」が大スターになるまでの苦難の半生を描いた「フランシスコの2人の息子」。ブラジルで興行収入記録を塗り替えるヒットとなり、ブレノ・シウヴェイラ監督は「家族の絆や人間関係の強さを音楽で表現するよう努力した」と話す。

映画「フランシスコの2人の息子」

1991年にデビューし、過去14作のアルバムの売上げ累計が2000万枚を超える2人。2人が美しいコーラスを披露しながら郷愁に満ちたメロディーを聴かせる「セルタネージョ」は、ブラジルのカントリー音楽と評される。

監督は製作のきっかけについて「当初は2人の父親フランシスコの物語で映画を撮ろうとしたのですが、父親から見た2人の真実の物語の方が良い作品になると思いました。2人を宣伝するような映画にしたくなかったですし…」と話す。

ブラジルの農村地帯。9人家族の長男ミロズマルと弟のエミヴァルは、サッカーボールも買えない貧しい生活を強いられている。しかし父フランシスコ(アンジェロ・アントニオ)は2人を歌手にしようと全財産を投げ打ってアコーディオンとギターを買い与える。

彼らは独学で楽器演奏を身につけてバスターミナルで歌い続け、興行主の目に止まる。地方巡業を続け、徐々に人気を獲得していく2人を、さまざまな苦難が襲う…。

本作が映画デビューの監督は、リアリティーの追求に注意を払ったという。「実際に起きたことを、それが起きた場所で忠実に再現しました。ドキュメンタリー畑出身なので過剰な演技が好きではないのです。私から言わせれば故レイ・チャールズの伝記映画『Ray/レイ』(2004年)だって大袈裟ですよ」

そうした細部へのこだわりと、ブラジル音楽界の重鎮カエターノ・ヴェローゾが監修した豊潤な音楽が感動的な物語を紡ぎだす。エンディングは本物の2人のサンパウロ公演の模様だが、素晴らしいサプライズが用意されている。

東京・日比谷のシャテシネなどで17日から公開される。

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