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DVDが先月下旬発売
「卒業」テーマ、手作り上映会 離島巡る「感動」
3月11日(月) 東京朝刊 by 松本明子
「卒業」をテーマに製作された1本の映画が、全国の離島で巡回上映されている。「アイランドタイムズ」(深川栄洋監督)。伊豆諸島最南端の青ヶ島(東京)を舞台にした青春作品で、卒業シーズンのなか、感動の輪が広がっている。

映画「アイランドタイムズ」のワンシーン
映画「アイランドタイムズ」のワンシーン

離島を巡る無料上映会は、1月に久賀(ひさか)島(長崎)、粟島(新潟)、天売(てうり)島(北海道)、2月に中島(愛媛)、黒島(鹿児島)、大津島(山口)、知夫里(ちぶり)島(島根)の7カ所で開催。20〜150人が映画を楽しんだ。3月も与路(よろ)島(鹿児島)などで上映が予定されている。

ほとんどの島は中学校までしかなく、もちろん映画館がある島はない。上映会でも、スクリーンがないため、急遽(きゅうきょ)白いシーツのようなものを壁に張るなどして、上映することもしばしば。そんな、まさに手作りの上映会を、島の人々は非常に喜んでくれたという。

映画は、八丈島から定期旅客船かヘリコミューターで乗り継ぐしかない青ヶ島に住む中学3年生(柳沢太介)が主人公。新聞が届かない島のために、独自の新聞作りに励む主人公が、都会からやってきた転校生(仲里依紗)への初恋を交えながら、親元を離れて自立していく姿を描いている。

昨春、青ヶ島で行われた撮影には、地元の人たちも多数出演するなど島をあげて協力。出来上がった作品を見た島の人たちは、「感動して涙が出た」「子供を送り出す親の気持ちがよく描かれている」「島の良さを改めて知った」などと話していたという。

同じ環境にいる人たちにも喜んでもらいたい。そんな思いから始まった離島の巡回上映。どこの島でも予想を上回る評判だといい、他の島からも上映を希望する声が届いているという。

製作に携わったフジテレビの角谷公英チーフプロデューサーは「映画はDVDでも楽しめる時代ですが、ひとつの場所に人が集まって見ることに意義があるのだと思います。こんなに映画を喜んでもらえるとは。オファーがあればどこへでも行きます」と話す。

この作品は、フジ系の情報番組「めざましどようび」の企画で製作されたため、一般公開されないが、DVDが先月下旬に発売されている。

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