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70年代の幕開け 過激な反体制的作品
アメリカン・ニューシネマの傑作「断絶」、DVD化
  東京朝刊 by 岡田敏一
アメリカン・ニューシネマの知られざる傑作といわれる「断絶」(1971年、モンテ・ヘルマン監督)がDVD化される。米歌手ブルース・スプリングスティーンがライブでこの映画を見るよう呼びかけたといったエピソードを残しており、話題を呼びそうだ。

DVD「断絶」

「俺たちに明日はない」(67年)や「イージー・ライダー」(69年)…。1960年代後半から70年代にかけて、大手映画製作会社の作風に対抗し、小さな製作会社が作る自由で過激な反体制的作品が話題を集め、アメリカン・ニューシネマと呼ばれた。

大陸横断レースを展開する若者をシンプルに描いた「断絶」も、やり場のない怒りと倦怠(けんたい)感にあふれた退廃的で投げやりな作風で、当時の米国の乾いた雰囲気を見事にとらえ、評価も高かった。

しかし製作した大手のユニバーサル映画では、試写を見た同社の重役が嫌悪感を示したため、宣伝などに力が入らず、興行的に大失敗したといういわく付きの作品だ。

出演した米人気歌手ジェームズ・テイラーと、米人気バンド、ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンの荒削りな演技も光る。多くの映像作家に影響を与えたのもうなずける破天荒なエネルギーが素晴らしい。

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