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出演契約に盛り込まれる場合も
ハリウッド・スター来日ラッシュ CMより効果的?!
  東京朝刊 by 岡田敏一
映画PRのためのハリウッド・スターの来日ラッシュが続いている。ワールドプレミア(世界で最初の完成披露試写会)を日本で行うケースも増えた。ハリウッドが米国に次ぐ世界第2位の日本の映画市場を重視するようになったのが理由のひとつ。国内の配給会社も「宣伝効果は軽く数億円」と歓迎しており、スターの日本詣(もう)では今後も続きそうだ。

東京で行われた「スパイダーマン3」のワールドプレミアにそろった出演者ら(撮影・塩浦孝明)
東京で行われた「スパイダーマン3」のワールドプレミアにそろった出演者ら(撮影・塩浦孝明)

キャメロン・ディアス、ジュード・ロウ、ヒュー・グラント、ニコラス・ケイジ、シルベスター・スタローン…きりがないのでやめるが、今年5月までに来日したスターの顔ぶれは、かなり豪華だ。

独立系作品の出演者や監督も合わせると「週に1人は必ず来日している」(ワーナー・ブラザース映画)という状況。今後も「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」「オーシャンズ13」などのキャストの来日が予定されていて、年間では100人を突破しそうな勢い。「ここ5年で約2倍に増えている」(関係者)という。

もちろん狙いは各メディアで写真や映像を取り上げてもらうこと。米ドキュメンタリー映画「不都合な真実」(今年1月公開)の配給を担当したUIP映画の担当者は「約1000万円の費用で10億円を超える広告効果があった」と話す。

映画のキャンペーンでアル・ゴア元米副大統領が来日。「テレビや全国紙が会見やインタビューを紹介してくれて、特集を組む報道番組もあった。テレビCMにお金をかけるよりずっと効率的だった」という。

一般的に、配給会社は宣伝費の約60%をテレビCMに使うといわれているが、来日キャンペーンで、より効果的なメディア露出を狙わない手はない。「注目作についてはスターの来日を含むキャンペーンでメディアへの露出を図ることが不可欠」というのが多くの配給会社の認識だ。

日本側の事情ばかりではない。米国で振るわなくても日本で大ヒットした作品が少なくないことが、ハリウッド側の日本市場に対する意識も変えつつあるようだ。

トム・ハンクス主演の「ターミナル」(スティーブン・スピルバーグ監督)は、米での興行収入が約7800万ドル(約90億2800万円)だったが、日本では41億5000万円を稼いだ。ジョディ・フォスター主演の「フライトプラン」も米では約9000万ドル(約10億7000万円)だったが、日本では31億2000万円のヒット作に。いずれも出演者の来日キャンペーンを含むPRが奏功したかたちだ。

5月1日公開の「スパイダーマン3」のように、英米を差し置いて日本でワールドプレミアを行うケースも目立ちはじめた。「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」も6月に東京でワールドプレミアを行う。

ハリウッドでも最近は「来日キャンペーンへの参加が出演契約に盛り込まれている作品がほとんど」(業界筋)といい、来日ラッシュはますます加速しそう。

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