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日中の魅力通わす
映画「鳳凰 わが愛」中井貴一が主演とプロデュース
2007/11/02 産経新聞    東京朝刊 by 岡田敏一
刑務所で偶然出会った男女が約30年にわたる獄中生活で心を通わせ、愛を貫くという日中合作映画「鳳凰 わが愛」(ジヌ・チェヌ監督、3日公開)は、企画に惚(ほ)れ込んだ中井貴一が主演とプロデュースを引き受けた意欲作だ。中井は「製作側と出演側という相反する立場を同時に経験し、学ぶことが多かった」と振り返る。

中井貴一が主演とプロデューサーを兼ねた日中合作映画「鳳凰 わが愛」
中井貴一が主演とプロデューサーを兼ねた日中合作映画「鳳凰 わが愛」

「鳳凰−」は日中友好35周年記念作品で、ジヌ監督が新聞で読んだ実話を映画化した。

舞台は1920年代の中国。リュウ・ラン(中井)は、恋人を助けるため、些細(ささい)なことから傷害事件の加害者となり、懲役15年の罪で投獄される。自分の帰りを待っているはずの恋人も突然、亡くなり、自暴自棄になるランだが、懲罰の場で、暴力に耐えられずに夫を殺した女囚ホン(ミャオ・プゥ)と出会う。2人は懲罰作業を一緒に行いながら、やがて心を通わせるようになる…。

中井にとって映画のプロデュースは初体験。「共同プロデューサーのシャーリー・カオさんから頼まれ、熟考した結果、日中の良さをうまく融合するにもプロデューサーの肩書が必要と判断したんです」と話す。

とはいえ、俳優とプロデューサーとの同時経験は大変だった。「どちらもわがままな生き物である監督と役者は同時にこなせるけれど、製作側のプロデューサーとは相反する立場。だから、撮影中、頭に来ることもあったけど、『ここでキレて撮影中止になったら製作費がいくら吹っ飛ぶか分からないぞ…』なんていう苦労を初めて味わいました」と笑う。

ランは中国残留孤児という設定だが、「ため息ひとつとっても日本人とは違うから、中国の俳優から細かな演技指導を受けました。北京語も約5カ月学びましたしね」。

悠久の大河の流れのような恋愛物語で、華やかさはないが、心に深く響く。とてつもなく広大で長い歴史を持つ中国ならではの物語展開と言っていい。

「国が違っても“映画人”という人種は存在すると確信しました。それに中国人は日本にあこがれを持ってくれている。日本人は自虐史観を改め、自国に誇りを持つべきだと思いましたね」

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