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キュートに描く女心
韓国映画「肩ごしの恋人」イ・オンヒ監督に聞く
2007/11/08 産経新聞   東京朝刊 by 松本明子
第126回直木賞を受賞した唯川恵のベストセラー小説『肩ごしの恋人』が同名の韓国映画として23日から公開される。「ブリジット・ジョーンズの日記」などに続く30代女性へ向けての応援映画。彼女たちが仕事、恋愛、結婚に抱く感情を力強く、時には繊細に描く。韓国内では1カ月早く公開され話題になっている。ヒロインたちと同世代の女性監督、イ・オンヒに聞いた。

「肩ごしの恋人」のワンシーン
「肩ごしの恋人」のワンシーン

「女性からはほぼ共感を得られたけど、男性の意見は2つに分かれた。気に入ってくれた人は“女の人ってそうなんだ”と納得。気に入らない人は“ああいう風な女性は嫌だ”とはっきり言ってましたね」

作品の反響をクスッと笑いながら教えてくれた。いずれにしても、観賞した男性の大半は女心をますます理解できない不毛なゾーンに陥ってしまったようだ。こうした反応こそ、この映画が成功したということではないだろうか。

独身で恋愛至上主義の写真家の卵、ジョンワン(イ・ミヨン)と、結婚至上主義の優雅なマダム、ヒス(イ・テラン)の物語。親友の2人が交わす本音の恋愛トークはコミカルでキュートだ。

「監督のオファーが来てから原作を読んだけどおもしろかった。若いころの恋愛は目の前の人しか見えないが、年を重ねていくと形が変わってくる。いろいろと客観的に考えると、私はジョンワンに似ていると思うけど、ヒスをうらやましいとも思う」

2年前の「アメノナカノ青空」に続く監督2作目。9割以上が男性監督という韓国映画界で、男に負けずにバリバリ仕事をする彼女だが、やはり家庭へのあこがれも捨てきれない。31歳の女性監督の素直な感想だろう。

一時の勢いこそないものの、まだまだ続く韓流ブーム。当事者の一人としてどうみている?

「ある種のバブル状態だと思う。スターを前面に押し出した映画は多いが、実際の評価はどうかと問いたい。好ましくない状況にある。映画人たちが地に足をつけて頑張らないといけない」

今後が期待される若手女性監督。米倉涼子、高岡早紀で夏に放送されたテレビドラマは視聴率がふるわなかったが、映画の方は期待できそうだ。

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