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今年の興行収入“ブランド”好き浮き彫り
洋画強し、続編で王座奪還 
2007/11/11 産経新聞   東京朝刊 by 岡田敏一
昨年、興行収入(平成11年までは配給収入)で21年ぶりに邦画に抜かれた洋画が、今年は再び“王座”を奪還することが確実となった。「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」など人気シリーズの続編が集客に大きく貢献。安心感ある“ブランド”が好まれる傾向が浮き彫りになった。

日本映画製作者連盟の説明では、年始の書き入れ時の今年1月から、夏休みシーズンが終わる9月までの状況を見ると、興収10億円を超えたヒット作は邦画が25本で洋画が21本。

ところが興収の状況全体をみると、邦画大手3社の興収累計は約620億9000万円で前年同期比12・9%減。洋画10社では約870億5700万円で同9・3%増で、洋画が邦画を上回った。洋邦合わせた興収は約1491億4700万円で同1・2%減だった。

とりわけ人気を集めたのが夏のハリウッドの娯楽大作だ。ヒット作の続編ばかりだと揶揄(やゆ)する声も多かったが、ふたを開ければいずれも大ヒット。

洋画の興収ベスト5の作品を見ると、1位が「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」で108億円。2位は「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」で88億円、3位は「スパイダーマン3」で70億円、4位は「硫黄島からの手紙」(公開は昨年12月)で50億円、5位は「トランスフォーマー」で40億円。

こうした大作を送り出した米ハリウッドの大手5社(ワーナー・ブラザーズ、ユニバーサル、ソニー・ピクチャーズ、20世紀フォックス、ブエナビスタ)の興収は前年同期比10・8%増と「ここ10年で最大の伸び」(同連盟)という。

これに対し邦画の1位は公開中の「HERO」で78億円(4日現在)で以下、2位「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール/ディアルガVSバルキアVSダークライ」(50億円)▽3位「西遊記」(41億円)▽4位「武士の一分」(40億円、公開は昨年12月)▽5位「映画ドラえもん/のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜」(35億円)。

トップ5のうち2作は定番の人気アニメ。残り3作をみると「HERO」と「武士の一分」はともに主人公が木村拓哉。「西遊記」は香取慎吾で、2人ともSMAPのメンバーで人気アイドルが支えている。

洋画は10日に公開されたばかりのスパイ映画「ボーン・アルティメイタム」のほか、「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」など今後も話題作が続々登場。一方、邦画は公開中の「象の背中」や「ALWAYS 続・三丁目の夕日」「椿三十郎」などがあり、どこまで巻き返すかが注目される。 

「パイレーツ−」の配給元、ブエナビスタインターナショナルジャパンでは「今年は夏のハリウッド大作の総公開期間が例年より約1カ月長く、多くの大作が微妙に時期をずらしながら公開したため、複数の作品を楽しんだ人が多かった」と分析している。

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